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第八次椿会 ツバキカイ 8 このあたらしい世界 2nd SEASON “QUEST” in 資生堂ギャラリー

資生堂ギャラリーでは、2022年8月27日(土)から12月18日(日)まで、「第八次椿会 ツバキカイ 8 このあたらしい世界 2nd SEASON “QUEST”」が開催されています。
「椿会」は70年以上もの長きに渡って資生堂ギャラリーを代表する展覧会であり、これまで合計86名の作家が参加している歴史あるグループ展です。
アートが人々に希望を与え、勇気をもたらすという信念に基づき、戦争や災害、不況などで世の中が閉塞状況にあるときにも再興を願い開催されてきました。このような椿会の趣旨は、いまだ収束の道筋が見えないコロナ禍や、ウクライナで起きている悲惨な戦争とこれに起因する物価高への不安など、今まさに、私たちはアートのチカラが求められる状況と合致していると言えるでしょう。

2年目のテーマは「探求/Quest」
2021年にスタートした第八次椿会は6組のメンバーにより、3年かけてafterコロナの「あたらしい世界」について考えていくことが発表され、今年は2年目(=2nd SEASON)にあたります。それぞれのSEASONにはテーマが設けられており、昨年は「触発/Impetus」、今年は「探求/Quest」、そして来年は「昇華」へと結ばれていきます。

 

メンバーは杉戸洋、中村竜治、Nerhol (ネルホル)、ミヤギフトシ、宮永愛子、目[mé]の6組であり、ジャンルを超えた活動やコラボレーションやチームでの制作などを行っている、今の時代を代表するアーティストたちです。
メンバーのプロフィールは公式サイトへ

 

2022年は昨年の「触発/Impetus」で生まれた問いや気づきが「探求/Quest」されています。メンバーは月1回のペースでミーティングを行ったといい、そこで浮かび上がった「内と外」、「豊かな生活」などの新たなキーワードとともに、それぞれの表現と、互いの関係性を構築しながら椿会の場が作られています。また、その過程もWebで公開されており、興味深く観ることができます。

 

 

何かを示唆する白いロープに導かれて
今回、資生堂ギャラリーを訪れて、象徴的に感じられたのは地下に降りる階段から、何かを導くように配置されている1本の白くて太いロープです。このロープは会場の各々の作品へ誘う“導線”のようでもあり、コロナ禍により世の中に生まれた感染防止のバリアや生活の格差などの“結界”を表しているようでもあります。しかも、来場者はこのロープをまたいで(越えて)、作品に近づくことができることも何かを暗示しているように感じます。

 

この他、会場内に配置された砂袋や植物、スーツケースなどや壁面の絵画や映像作品。そして、何かまさしく今、相談ごとをしている空気感のある小展示室など、アーティストたちが提供してくれるさまざまな気づきの連続です。

 

特に壁面全体で展開される、全盲の美術鑑賞者・写真家である白鳥健二さんと、薄暮から夜へと変わる景色の中で交わされた対話をヘッドフォンで聴いていると、変わったのは私たちの心で、周りの風景はなにも変わっていないのかもと感じさせられます。

 

今回は“探求”というテーマですが、何かひとつのことが掘り下げられているというよりも、6組それぞれの深められた想いや考えが、個性豊かに拡散し、それがひとつの作品世界を作り上げているような印象を受けます。まさに、未来を探るヒントや勇気を与えてくれるアートとの出会いと言えるのではないでしょうか。

 

タイトル 第八次椿会 ツバキカイ 8 このあたらしい世界
2nd SEASON “QUEST”
会期 2022年8月27日(土)~ 12月18日(日)
会場 資生堂ギャラリー
住所 〒104-0061 東京都中央区銀座8-8-3 東京銀座資生堂ビル地下1階
Webサイト https://gallery.shiseido.com/jp/tsubaki-kai/
開館時間 火~土 11:00~19:00  日・祝 11:00~18:00
休館日 毎週月曜休 (月曜日が休日にあたる場合も休館)
料金 入場無料