ANDO COLLECTION in ANDO GALLERY
アンドーギャラリーでは、リカルダ・ロッガン氏と中沢研氏の厳選された作品による「ANDO COLLECTION」が2022年10月18日 (火)から12月17日 (土)まで開催されています。
ギャラリーの壁面にロッガン氏の写真作品が3点、床に中沢氏のインスタレーション作品が1点というシンプルな構成ながら、会場は作品から放たれる静かな波動に満ち、ゆっくりと時間を過ごすことができる空間になっています。
リカルダ・ロッガン氏(1972年~)はドイツ・ドレスデンに生まれ、ライプツィヒ視覚芸術アカデミーで写真を学び、ロンドンのロイヤル・カレッジ・オブ・アートにも留学しています。彼女の制作テーマは、使われなくなった場所や部屋、そこにいた人々が残した痕跡をとらえていくもので、現代の最も重要なドイツ写真家のひとりとして高く評価されています。今回出品されている「Baumstück 3(2009年)」、「RESET 6(2011年)」「Echo(2015年)」の3点は、いずれも制作年数が違いますが、そうしたロッガン氏のテーマが貫かれています。
丁寧な口調で論理的に話をする彼女の様子からはストイックさを感じると言いますが、作品に写し出される情景からは豊かな感情が伝わってきます。
アンドーギャラリーでは「APPARATE」シリーズを発表した、2019年の個展以来の出品となります。
中沢氏(1970年~)は東京都に生まれ、多摩美術大学大学院美術研究科絵画専攻を修了後、針金やテグスなど視覚的ヴォリュームが希薄な素材を用いて、展示空間に呼応したインスタレーションを制作する作家として国内外で高い評価を得ています。
アンドーギャラリーでは2022年2月に個展「線」で登場していますが、その時に使われた素材と似たような、直径3mmの鉄材を用いたインスタレーション作品「四角2」が出品されています。
作品を構成する5つの立体は、閉鎖的にも見えるフォルムが鉄材(針金)で表現されているので開放的に。一本いっぽんの鉄材は弱々しく見えるのに、はっきりとした意志があるようにしっかり立っている・・・そうした二律背反性を感じる不思議な魅力のある作品です。
一つひとつの立体に複数の“四角”が確認できますが、作品の高さの目線で、しゃがんで観るとより複層的なイメージが浮かんでくるでしょう。
今回はふたりの作家でひとつの空間を構成するため、数多く所蔵するロッガン氏の作品から3点のみを厳選して壁面に展示し、その後に中沢氏自身が注意深くインスタレーション作品を配置したそうです。
素晴らしい作品だけでなく、こうしたシンプルで豊かな空間を楽しみに、訪れてみてはいかがでしょうか。
タイトル | ANDO COLLECTION |
会期 | 2022年10月18日(火)~ 12月17日(土) |
会場 | ANDO GALLERY(アンドーギャラリー) |
住所 | 〒135-0023 東京都江東区平野3-3-6 |
Webサイト | http://www.andogallery.co.jp |
開廊時間 | 11:00 ~ 19:00 |
休廊日 | 日・月・祝日休 |
料金 | 無料 |