MOTコレクション 被膜虚実/Breathing めぐる呼吸 in 東京都現代美術館
東京都現代美術館では、「MOT コレクション 被膜虚実/Breathing めぐる呼吸」が2023年3月18日(土)から6月18日(日)まで開催されています。「MOT コレクション」展では、同館が所蔵する戦後美術を中心に近代から現代にいたる約5600点の作品を、会期ごとに様々な切り口で紹介されています。今回は1階では「被膜虚実(ひまくきょじつ)」、3階では「Breathing めぐる呼吸」として、2つのテーマ構成で現代美術の持つ多様な魅力に触れることができる楽しみな機会となっています。
本展は、約5600点の収蔵作品の中から1980年代末以降の、より現在に近い時期に制作された作品が選ばれています。約30年の間に個々に生み出された作品を巡りながら、時間の経過やその背景を感じとるとともに、絵画、立体、写真、映像、インスタレーションなど多彩な現代美術の表現に触れることができます。
1階:“被膜”というキーワードを起点に展開
1階では「被膜虚実」というテーマの下、1980年代末以降の作品が紹介されています。“被膜”は、大規模なインスタレーション作品や知覚と関連付けたメディアアートで知られる三上晴子が1990年代に用いていたキーワードです。“被膜”は、薄い皮一枚で隔てられた内と外の関係性を表し、私たちの身体から国際社会の政治と歴史、地球環境や、さらにここ数年のコロナ禍まで、普遍的に及んでいます。
2015年に急逝し、現存する作品が極めて少ないことで知られる三上晴子の、1990年代初めに手がけられた作品群が新規収蔵後、初めて同館で展示されます。
また、1988年にヴェニス・ビエンナーレ(アペルト部門)に出品された石原友明の大作インスタレーション《約束》が15年ぶりに展示されます。幅20mを超える青い画面が拡がる空間に、作者の身体イメージが、被膜に覆われた種子あるいは小舟のように配される、体感的な展示となっています。
さらに、この「被膜」を起点とし、活躍著しい百瀬文、潘逸舟、開発好明らによる、近年新規収蔵され、初公開となる映像作品を含め、平川典俊、ホンマタカシ、加藤美佳、名和晃平、トーマス・デマンド、方力鈞ほかの作家による多様な作品をたどりながら、約30年という時間の流れと、そこに見られる身体観の移ろいと生への眼差しに着目した展示が展開されています。
3階:風や水、大気の流れを思い起こさせる作品群で構成
3階は「Breathing めぐる呼吸」をテーマに、人の呼吸に繋がりながら世界をめぐるもの――風や水、大気の流れを思い起こさせるような作品群で構成されています。
今年生誕100 周年を迎え、抽象的で日本美術の影響を受けた特徴的な色使いで知られるサム・フランシスの大きな絵画のシリーズ(寄託:アサヒビール株式会社所蔵)が、3階の空間を広々と使って展示されます。
また、松本陽子の1990~2000年代の代表的な絵画作品に加え、2000年代以降の素描作品がまとまったかたちで展覧できます。
この他、モンティエン・ブンマー、ソピアップ・ピッチ、遠藤利克らの、観る者の感覚を開く作品が紹介されています。
【出品予定作家】
石原友明、伊庭靖子、梅沢和木、遠藤利克、小沢剛、開発好明、加藤美佳、金氏徹平、千葉正也、名和晃平、潘逸舟、平川典俊、方力鈞、福田美蘭、ホンマタカシ、松本陽子、三上晴子、村瀬恭子、百瀬文、モンティエン・ブンマー、トーマス・デマンド、サム・フランシス、ソピアップ・ピッチほか
タイトル | MOTコレクション 被膜虚実/Breathing めぐる呼吸 |
会期 | 2023年3月18日(土)~ 6月18日(日) |
会場 | 東京都現代美術館 コレクション展示室 |
住所 | 〒135-0022 東京都江東区三好4-1-1(木場公園内) |
Webサイト | https://www.mot-art-museum.jp/exhibitions/mot-collection-230318/ |
開館時間 | 10:00~18:00(展示室入場は閉館の30分前まで) |
休館日 | 月曜日 |
料金 | 一般:500円 大学生・専門学校生:400円 高校生・65歳以上:250円 中学生以下:無料 |
備考 | ※企画展「クリスチャン・ディオール、夢のクチュリエ」(~5/28)のチケットでMOTコレクションもご覧いただけます。 ※小学生以下のお客様は保護者の同伴が必要です。 ※身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳をお持ちの方と、その付添いの方(2名まで)は無料になります。 |