1. HOME
  2. Events
  3. 銀座/日本橋
  4. ポーラ ミュージアム アネックス
  5. ポーラ ミュージアム アネックス展 2023 ― 自立と統合 ― 後期 in ポーラ ミュージアム アネックス

ポーラ ミュージアム アネックス展 2023 ― 自立と統合 ― 後期 in ポーラ ミュージアム アネックス

ポーラ ミュージアム アネックスでは、「ポーラ ミュージアム アネックス展 2023」が2023年2月10日(金)から4月16日(日)の間、前後期に分けて開催されています。2023年3月17日(金)から4月16日(日)までは後期として、秋山美月、永井里枝、佐藤幸恵の3名によるグループ展示が行われています。
それぞれイタリア、ドイツ、ポルトガルで研修された成果発表として、若手アーティストの作品を楽しむことができます。

公益財団法人ポーラ美術振興財団では、日本の芸術分野の専門性の向上を目的に、1996年より若手アーティストの海外研修を助成されています。その研修成果を多くの方に観ていただく機会を設けて、今後の創作活動に活かして欲しいという趣旨で、本展は毎年2月から4月にかけて定期的に開催され、今回で第21回となります。
近年の研修員より選ばれた6名の方の作品が、ポーラ美術館 木島俊介館長 監修のもと、「自立と統合」と題し展示されています。

【作家・作品紹介】

秋山美月 Mitsuki Akiyama
秋山は2021年から2022年に「アルテ・ポーベラともの派に続くもの」というテーマでイタリアにて研修をされています。両親が彫刻家であり、イタリアで育ち、日伊の間で長くアイデンティティーについて考えてきた中、そうした葛藤は自分だけでなく多くの人の内面に存在する矛盾や二面性を表している、と展示キャプションに記されています。


透明から濃紺へのグラデーションが美しい《Afraid to look》は、上面の切り口から液体があふれ出るような球体状の器の底に、それぞれ形の違う鍵が配置されています。その鍵は自分らしさに対する答えを象徴しているそうで、これが100という整った数ではなく、99組しかない・・・という点に、作家の思索のひとつの到達点があるようです。

 

永井里枝 Rie Nagai
永井は展示キャプションの中で、『日本人は集団に和する文化的傾向がある為、所属する場所によって立ち振る舞いを変えます。その時、心に浮かぶ感情や考えすらも場所によって変わっているように見えます。つまり人の主体は個人ではなく「場所」にあると捉える事を出発点に制作しています。』と記されています。2019年にドイツで『各国作家と共同生活することで、「作品という個人」への「各文化の規範的価値観」の影響を調査する』というテーマで研修をされています。ドイツ人や他国の人の場合、個人と場所の関りはどうだったのでしょうか。


出品された作品はいずれもドイツに滞在中、もしくは滞在での研修を経て描かれたもので、具体的な場所の断片的なモチーフと抽象的なモチーフが交錯しているようです。空港、ナイトクラブ、飲食店を描いたと記されているので、よく観ているとどの作品がどの場所かは何となくわかります。鮮烈な色彩に触発されて、私たちの頭の中にいろいろなイメージがわいてくるので、楽しい時間になるでしょう。

 

佐藤幸恵 Yukie Satoh
佐藤はガラスアートを専門分野として、2018年から2019年にポルトガルで研修されています。研修のテーマは『自身の表現手段である「ガラスを溶かした際の金属・鉱物の反応」を新たに科学的な観点から研究し、それらを応用したガラス造形の可能性を探る』とされています。

「気色」と題された一連の作品は、作家自身にとって心地よいバランスを探しながら、ガラスや木、石、金、木の実などのさまざまな要素が積み上げられています。いずれもガラスの容器から生き物のように、いろんなものが生え出したり、あふれたり、観る者の中でいろんなイメージがふくらみます。「残片」と題された作品は、発掘されたものと作家自身の何かが組み合わさったようにも見えます。作品の意図は展示キャプションに記されていますが、観る者にとっても、忘れかけていた感触や記憶が呼び覚まされるような気がしました。

 

【 監修者プロフィール】 ※プレスリリースより
木島 俊介:ポーラ美術館館長。1939年鳥取県生まれ。慶応義塾大学文学部卒業、美学・美術史専攻。フィレンツェ大学、ニューヨーク大学大学院、同美術史研究所に学ぶ。群馬県立近代美術館館長および群馬県立館林美術館館長、共立女子大学教授等を務め、現在、同大学名誉教授、東急文化村ザ・ミュージアム プロデューサー。主要著書は、『美しき時祷書の世界』(中央公論社)、『アメリカ現代美術の25人』(集英社)、『女たちが変えたピカソ』(中公文庫)、『名画が愛した女たち 画家とモデルの物語』(集英社)、『クリムトとウィーン』(六耀社)、翻訳書に『ヨーロッパの装飾芸術 全3巻』(中央公論新社)など。

【公益財団法人ポーラ美術振興財団の活動概要】 ※プレスリリースより
公益財団法人ポーラ美術振興財団では、美術分野などの若手芸術家及び美術の専門職員に対する助成活動を行っています。主に美術分野における研究活動テーマを広く一般から募集し、有識者で構成される選考委員会によって採択・助成し、日本文化の向上、発展に寄与することを目的に以下の活動を行っています。
【参考資料:令和4年度助成採択内容】
(採択数)(助成金額)
(1)若手芸術家の在外研修に対する助成
13件 4,195万円
(2)美術館職員の調査研究に対する助成
12件 1,824万円
(3)美術に関する国際交流の助成
8件 1,600万円

タイトル ポーラ ミュージアム アネックス展 2023 ― 自立と統合 ―
会期 前期:2023年2月10日(金) ~ 3月12日(日)
後期:2023年3月17日(金) ~ 4月16日(日)
会場 ポーラ ミュージアム アネックス
住所 〒104-0061 中央区銀座1-7-7 ポーラ銀座ビル3階
Webサイト https://www.po-holdings.co.jp/m-annex/exhibition/index.html
開館時間 11:00~19:00 (入場は18:30まで)
休館日 会期中無休
料金 無料