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春陽会誕生100年 それぞれの闘い 岸田劉生、中川一政から岡鹿之助へ at 東京ステーションギャラリー

東京ステーションギャラリーでは、企画展「春陽会誕生100年 それぞれの闘い 岸田劉生、中川一政から岡鹿之助へ」が2023年9月16日から11月12日まで開催されています。春陽会が同じ芸術主義をもつ画家たちの集団であろうとはせず、「各人主義」と称したそれぞれの作家たちの個性を尊重する姿勢は、春陽会の展覧会において油彩に加え、素描、挿画、版画などが出品される自由さがあり、小杉放菴、木村荘八、長谷川潔ら多くの著名な作家たちが活躍しました。本展は、その創立から1950年代までの展開を追いつつ、春陽会の展覧会第1回展からの出品作を中心に、さまざまな作品が紹介されています。日本近代美術の中で、ひとつの確固たる潮流を生み出した、独自のエネルギーが感じられる作品群に、あなたも触れてみてはいかがでしょうか。

春陽会誕生100年 それぞれの闘い 岸田劉生、中川一政から岡鹿之助へ at 東京ステーションギャラリー

春陽会は1923年に第一回展が開催された、現在も活発に活動を続けている美術団体です。民間最大の美術団体だった日本美術院の洋画部を脱退した画家たちで構成された創立会員を中心に、新進気鋭の画家たちが加わり新団体「春陽会」が結成されました。「各人主義」のもと、常に画家たちの個性を尊重し、自由闊達な活動を後押しし続けている、作家による作家のための団体といわれています。また、春陽会では画家たちが互いの作品を批評しながら芸術のために研鑽を積み、次世代育成をも念頭に基盤を固めてきており、今年で100周年を迎えています。

春陽会誕生100年 それぞれの闘い 岸田劉生、中川一政から岡鹿之助へ at 東京ステーションギャラリー

本展がフォーカスしている1922年の創立から1950年代までは、すでに知名度のある花形の画家たちにより組織され、帝国美術院、二科会に拮抗する第三の洋画団体として誕生し、基盤を固めつつも葛藤に満ちた時期となります。また、出品作品のなかに、自らの内面にある風土(土着)的なもの、日本的ないしは東洋的なものを表現しようとする傾向が早くからみられたことは、注目すべき点でしょう。今回は岸田劉生が春陽会に所属していた時期の作品11点が出品されていますが、油彩では三味線を弾く麗子像や芝居絵、日本画では寒山拾得図と二人の麗子像も登場し、梅原龍三郎も評価していた劉生が当時表現しようとした「東洋の美」をうかがうことができます。

春陽会誕生100年 それぞれの闘い 岸田劉生、中川一政から岡鹿之助へ at 東京ステーションギャラリー

東京ステーションギャラリーで過去に回顧展が開催されたことのある岸田劉生、木村荘八、河野通勢。その名を冠した美術館をもつ小杉放菴、三岸好太郎、硲伊之助。のちに文化勲章を受章した梅原龍三郎、中川一政、岡鹿之助。フランス画壇でも評価された長谷川潔などなど。

春陽会誕生100年 それぞれの闘い 岸田劉生、中川一政から岡鹿之助へ at 東京ステーションギャラリー

春陽会の第1回展からの出品作を多く含む50名近い画家たちによる良質な作品が、約50か所の所蔵先から集まっています。本展は同ギャラリー開催後も国内3館に巡回しますが、2020年度より研究者を交えた春陽会関係者とこの開催館学芸員が毎月のように集まり、調査の結果を持ち寄って展示作品がセレクトされたという、まさに厳選された作品を私たちは楽しむことができます。

春陽会誕生100年 それぞれの闘い 岸田劉生、中川一政から岡鹿之助へ at 東京ステーションギャラリー

そういう意味で本展はすべての作品が見どころとも言えますが、中でも春陽会の展覧会出品は形式にとらわれなかったという点をよく表している、木村荘八による永井荷風『濹東綺譚』、中川一政による尾﨑士郎『人生劇場』などの挿絵原画の展示は興味深く、自由に異業界と行き来する柔軟な姿勢が感じられます。

春陽会誕生100年 それぞれの闘い 岸田劉生、中川一政から岡鹿之助へ at 東京ステーションギャラリー
あなたも本展で、春陽会という組織が立ち上がり、自由なスタンスをもって葛藤と発展を続けてきた様と、「各人主義」のもと作家たちによる“それぞれの闘い”がかもし出す独特のエネルギーに触れてみてはいかがでしょうか。

【展示構成】
第1章 始動:第3の洋画団体誕生
第2章 展開:それぞれの日本、それぞれの道
第3章 独創:不穏のなかで
第4章 展望:巨星たちと新たなる流れ

タイトル 春陽会誕生100年 それぞれの闘い 岸田劉生、中川一政から岡鹿之助へ
会期 2023年9月16日(土) ~ 11月12日(日)
会場 東京ステーションギャラリー
住所 〒100-0005 東京都千代田区丸の内1-9-1
Webサイト https://www.ejrcf.or.jp/gallery
開館時間 10:00 ~ 18:00
金曜日 10:00 ~ 20:00
※入館はいずれも閉館30分前まで
休館日 月曜日[10/9、11/6は開館]、10/10(火)
チケット情報 オンラインチケット購入はこちら
当日券=東京ステーションギャラリー1階入口
観覧料 【一般】 1,300円
【高校・大学生】 1,100円
【中学生以下】 無料
備考 *障がい者手帳等持参の方は入館料から100円引き(介添者1名は無料)
*学生の方はご入館の際、生徒手帳・学生証をご提示ください