THE DAILY LIFE WITH ART -6 PERSONS EXHIBITION- at Gallery Dalston
Gallery Dalstonでは、グループ展「THE DAILY LIFE WITH ART -6 PERSONS EXHIBITION-」が2024年5月25日(土)から6月9日(日)まで開催されます。本展は、6名の男性アーティストのみによる、いずれも個性的でポップなセンスが感じられる作品が期待できそうです。日々の生活とともに暮らすアートを、よりリアルに感じて頂ける空間作りを提案するというテーマで展示を構成されるということで、その点についても注目です。気温が上がってきたとはいえ、まだまだ吹いてくる風が気持ちいい季節です。何か、日々の暮らしを彩る“パートナー”を探すような気持ちでお出かけしてみてはいかがでしょうか。
ギャラリーの扉を開けると、作品だけが配置されたいつもの展示と違い、どこかのおしゃれな家のリビングにお邪魔したような気分になります。中央には手作りとは思えない出来栄えのディスプレイラックがあり、作品や小物が置かれています。床には鉢植えの植物やレコードなどの他、作家の方たちがいつも手に取る本などが棚に並んでいて、この“部屋”で暮らしている“主”の人柄が現れているようです。
もし、その“主”がいるなら、その遊び心を端的に表しているのは、中央に配されたSIVELIA/シベリアの作品ではないでしょうか。艶消しのブラックが印象的な彼の作品は、まだ日本ではなじみの浅いアート・トイと呼ばれるジャンルのものです。
奥の渡邉城大の作品のうち、レオンが観葉植物と会話している作品がありますが、こちらは本展の「THE DAILY LIFE WITH ART 」のテーマのために、わざわざ制作された新作だといいます。
新埜康平の作品は、ガード下などで見かけるタギング(文字)と日本画の手法が出会った、不思議と落ち着いた作品です。平面作品ながら厚みのある支持体が部屋の雰囲気に馴染みつつも溶け込まない、独特なバランスを生み出しそうな気がします。
鈴木潤のドクロくんというキャラクターがモチーフの作品は、どこか楽しげで、部屋に飾ると幸福を呼び込みそうです。過去作をインスタで拝見すると、おどろおどろしいドクロも描かれていますが、何かのきっかけでこのような表現になったそうです。
グラフィックデザイナーでもある玉村聡之の作品は、モノトーンに近く、どこか無機質な印象も与えますが、眺めているといろんなイメージがわいてきます。きっと、部屋にあると、毎日、いろんなイメージが浮かんで楽しいのではと思います。
部屋にある植物は手入れしたり、語りかけたりを毎日繰り返すのが楽しいですが、GIRUVIの作品世界はそんな静かな関係性を思い起こさせます。どんな場所に飾っても、独特のやわらかな存在感を失わない作品のような気がします。
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※以下は、ギャラリーの広報用資料からの引用になります。
日々の生活とともに暮らすアートを、よりリアルに感じて頂ける空間作りを提案したいと思います。
現在活躍中の6名の個性豊かな作家の世界観と共にお楽しみ頂けたら幸いです。
皆様のご来場を心よりお待ちしております。
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新埜康平/ Arano Kohei
【プロフィール】
東京生まれ。東京を拠点に活動し、展覧会などを中心に参加している。ストリートカルチャーや映画の影響を受け、仮名の人物や情景、日々の生活に根差した等身大のイメージをモチーフに制作。余白やタギング(文字)の画面構成等、様々な絵画的要素を取り入れ、日本画× ストリートをテーマに制作。
【ステイトメント】
基本画材として日本画材の膠や和紙、胡粉などの顔料を使っている。膠や和紙、胡粉や顔料などは古典的な日本画の技法で古くから日本に伝わる伝統的な絵画表現であり、滲みやたらし込み技法などそれらの素材の特異性を使いながら映画やストリートカルチャーという影響を取り入れたモチーフをミックスさせ、日本画技法 × ストリートの作品を作っている。
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GIRUVI
【プロフィール】
非公表
【ステイトメント】
物心ついた頃から映画に夢中になり、1980年代アメリカを舞台にした街並みのグラフィティやスケートボードに衝撃を受け、自身もスケートボードとグラフィティに夢中になる。その後アーティストを志すもオリジナルのスタイルを確立出来ずいつしか描くことをやめてしまった。そんなある日、近所の花屋でひとつのサボテンを購入し、それがきっかけで植物の世界に没頭していく。植物を育てていくうちに生活リズムや世の中との繋がりに変化が起こり、植物の魅力を多くの人に知ってもらいたいと考えるようになる。2021年コロナ禍により人生を見つめ直し、自分が本当にやりたいことは何か、頭の中にあるイメージやアイデアは目に見える形で表現すべきだと活動を開始。自身が経験し影響を受けてきたストリートカルチャーと植物を融合させた作品の制作をしている。
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SIVELIA / シベリア
【プロフィール】
新潟県出身
Custom Figure, ArtSculpture
【ステイトメント】
製作手法としては、”素体をベースにカスタムをする”といういたってシンプルなもの。
3Dプリンタ等の立体成形技術等は使わずに、壊れたフィギュアの破損箇所をまず直し、カスタムに使う部品を集めまたは手作りし、組み上げ、黒く塗装する。その工程はとてつもなく地道なもので、いわゆる”昭和時代のモデラー”スタイルで作り上げている。
シベリアフィギュアによく使用されているアナーキーマーク(丸にA)もこうした工程で作られ、自身の影響の受けてきたストリートカルチャーをベースに独自にカスタマイズ、デザインし、丁寧に作り込んでいる。
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鈴木 潤 / Jun Suzuki
【プロフィール】
1991年宮城県出身。 鈴木潤は、ポップな線描を特徴とした現代アーティストです。
陶芸家の父の影響から幼い頃から様々なアートに触れ絵を描き始めました。
【ステートメント】
ドクロくんというキャラクターを通して死生観をテーマにした作品を制作しています。幼い頃見たレコードジャケットに描かれたスカルの絵から影響を受けスカルをモチーフにする作品をよく描く様になりました。
大人になり本格的に絵を描く活動を始めてからも私の作品に密接に結びついた存在だったのですが、コロナ禍から自分の描く死のイメージを纏うスカルというモチーフに違和感を覚えるようになりました。以前から描いていたスカルをモチーフにした作品が次第に不安や暗いイメージとして頭の中で捉えるようになり、自分自身の絵が嫌になったのもこの頃が初めてでした。このままではいけないと感じ、生死感と向き合う制作を続けていく中で、死を考える事は生きる事を必死に考えているんだと気づき、漠然とした不安から抜け出す事ができました。
それからはスカルを描くことをポジティブに捉えたいと思い、骸骨の顔で、生身の体、生と死の振り子が混在している(ドクロくん)が誕生しました。ポジティブな思いを込めた作品を、現在、未来の人に届けたい。そうして、きっとポジティブな思いは繋がっていくと信じています。
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玉村聡之/ Tamamura Satoshi
【プロフィール】
1987年生まれ 京都出身
アーティスト・グラフィックデザイナー・イラストレーター
京都精華大学デザイン学部卒業
広告プロダクション3社
現在フリーランス
【ステイトメント】
“境界線のミックス”をコンセプトに絵画の中にある相反する思想、デジタルとアナログ、具象と抽象、大衆と個性、東洋と西洋、無意識と計画、過去と未来、グラフィックデザインと現代アート、アニメ・漫画と実写などに境界線を引き、ミニマルに組み合わせていくことで、普遍的で新しい表現を探っている。モチーフの女性は現代を象徴するPOPアイコンであり、俯瞰して見た未来にいる無機質な人物であり、ベクターデータで描いた何もにもなりうるキッチュな架空のキャラクターである。
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渡邉城大 / WATANABE Kunihiro a.k.a. JohDai
【プロフィール】
1983年愛媛県出身。
漫画家のアシスタントを経て、日本漫画の技法と概念をコンセプトに絵画の制作と、登山による星空を主とした自然写真の撮影を行う。
【ステイトメント】
世界三大コミック(日本漫画、バンド・デシネ、アメリカンコミックス)のうち白黒表現を主体としているのは日本漫画の特性である。葛飾北斎の北斎漫画をルーツに、浮世絵から派生して進化してきた日本漫画には線による表現や余白の美学など、浮世絵の血を確かに受け継いでいる。「浮世」という言葉には「現世」や「移りゆく世の中」という意味があり、「浮世絵」とは江戸時代の画家が当時の技法で当時の様子を描いた絵である。そこから派生した日本漫画の技法で現代を描くことを「現代浮世絵/Contemporary Ukiyo-E」と定義して創作している。
タイトル | THE DAILY LIFE WITH ART -6 PERSONS EXHIBITION- |
会期 | 2024年5月25日(土)~ 6月9日(日) |
会場 | Gallery Dalston |
住所 | 〒130-0023 東京都墨田区立川1-11-2 |
Webサイト | https://www.dalston.space/thedailylifewithart |
開廊時間 | 13:00〜19:00 (最終日のみ17:00まで) |
休廊日 | 月曜日、火曜日 |
観覧料 | 無料 |