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幻想のフラヌール ― 版画家たちの夢・現・幻 at 町田市立国際版画美術館

町田市立国際版画美術館では、企画展「幻想のフラヌール ― 版画家たちの夢・現・幻」が2024年6月1日(土)から9月1日(日)まで開催されています。ときに鏡にたとえられる版画は、作者の夢想と見る者の願望を如実に写しだします。版面/紙面の不可思議なモチーフや奇妙なフォルムは想像力を否応なく刺激し、見慣れた現実をも幻想の世界に変容させる版画家たちの精神と手業は既成の概念を揺り動かし、私たちを別の世界へといざなうかのようです。あなたもここを訪れ、フラヌール(遊歩者)のひとりとなってはいかがでしょうか。

原初的な記憶を呼び起こし、未来の姿も浮かび出す

アナムネシス(記憶回復)〉···、あまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、古代ギリシャの哲学者プラトンが初期に唱えた考え方です。例えば、人間はなぜ、善悪や美しいものを判別できるのでしょうか。プラトンはそれを、人間の魂は肉体に宿る前に天界で眺めていたイデア(真理)を想起すること、つまり天界での記憶を回復することにより、人間は本質的なことを認識しているのだと説きました。


本展で紹介されている、独自の世界をさまよう〈フラヌール(遊歩者)〉ともいうべき版画家たちの作品は、過去や私たちの内に眠る原初的な記憶を呼び起こしてくれるでしょう。そしてそれはまた、現実世界の可能性、すなわち未来の姿をも浮かび上がらせる力を内奥に秘めているといえるのです。

時に鏡にたとえられてきた版画

フラヌール(版画家たち)は、作者の夢想と見る者の願望を如実に写しだします。版面/紙面の不可思議なモチーフや奇妙なフォルムは想像力を否応なく刺激し、見慣れた現実をも幻想の世界に変容させる版画家たちの精神と手業は既成の概念を揺り動かし、私たちを別の世界へといざなうかのようです。
刷ると反転したイメージを写し出す版画は、時に鏡にたとえられてきました。私たちは、もしかしたら、版画作品に向き合いながら、自分自身の姿や、心の中を覗き込んでいるのかもしれません。

幻想の力によって〈アナムネシス(記憶回復)〉を喚起

本展では企画協力に美術評論家の相馬俊樹氏をむかえ、幻想の力によって〈アナムネシス(記憶回復)〉を喚起する作品が、町田市立国際版画美術館の収蔵品から約150点も紹介されています。版画/鏡を覗きこみながら作品のあいだを遊歩するうちに、おのずと取り込まれる世界は「夢幻」と「現実」、「作品」と「私たち」、そして「芸術のための芸術」と「生のための芸術」などの境界がとけあう場となることでしょう。ぜひ、お出かけしてみてはいかがでしょうか。

タイトル 幻想のフラヌール ― 版画家たちの夢・現・幻
会期 2024年6月1日(土)~ 9月1日(日)
会場 町田市立国際版画美術館 企画展示室1、2
住所 〒194-0013 東京都町田市原町田4-28-1
Webサイト https://hanga-museum.jp/
開館時間 【平日】 午前10時~午後5時 (入場は4時30分まで)
【土日祝】 午前10時~午後5時30分(入場は5時まで)
休館日 月曜日
※7月15日(月・祝)、8月12日(月・振休)は開館
7月16日(火)、8月13日(火)は休館
観覧料 【一 般】800(600)円
【大・高生】400(300)円
【中学生以下】無料
※( )内は20名以上の団体料金
※身体障がい者手帳、愛の手帳(療育手帳)または精神障がい者保健福祉手帳をお持ちの方と付き添いの方1名は半額
同時開催 特集展示「飯田善國の版画と《彫刻噴水・シーソー》
2024年5月29日(水)~9月1日(日) 常設展示室 入場無料