細川護熙展「京洛の四季」 at POLA MUSEUM ANNEX
ポーラ ミュージアム アネックスでは、細川護熙展「京洛の四季(けいらくのしき)」が2023年9月15日(金)から10月15日(日)まで開催されています。
本展では、2014年に京都・建仁寺塔頭正伝永源院へ奉納された、京の四季が全24面の襖絵で表現された「四季山水図襖絵」が展示されています。外部での公開はおよそ10年ぶりとなり、24面すべてを見渡して鑑賞できるのも見どころのひとつです。独自の感性で京都の四季がうつし出された静謐な空間に、あなたも身を置いてはいかがでしょうか。
制作中の様子を紹介する動画や漆絵の小品を楽しんだ後、展示スペースに進むと、壁4面に展示された建仁寺塔頭正伝永源院の四季山水図《知音(ちいん)》、《渓聲(けいせい)》、《秋氣(しゅうき)》、《聴雪(ちょうせつ)》から成る全24面の襖絵に囲まれ、まるでどこかの寺院の縁側でお庭を楽しんでいるかのようなリラックスした気分になります。
作品は、京の四季折々の遠景が主に墨をもって、ときに淡い色あいを添えて描かれています。細川は風景を描くときに、その場所を見に行くことはあっても、写生はしないといいます。自分が見て、受けた印象を自分の中で膨らませつつ、表現していくそうです。
作品はどれも山並みの形などから、どこからどこの方角を見ているのかはすぐに分かります。しかしながら、実際にはない滝が描かれたり、あくまでも細川の心の中で見立てられた静かで平和な世界が広がっているように感じます。
細川護熙は1993年より第79代内閣総理大臣を務めた後、60歳を機に政界を引退。作陶や書画、油絵などの創作活動を開始しました。近年は奈良・薬師寺慈恩殿「東と西の融合」障壁画や京都・龍安寺「雲龍図」襖絵など、大型障壁画の制作に数多く携わっています。本展で紹介されている作品は、襖絵をはじめた初期の作品とのことです。
それに対し、入り口で出迎えるように展示されている漆絵作品は、蓮や花と虫をモチーフに、ここ数年制作を続けている比較的新しい取組で、本展の襖絵とは違う趣を楽しむことができます。
秋へと向かう良き季節に、銀座で「京洛の四季」を楽しまれてはいかがでしょうか。
タイトル | 細川護熙展「京洛の四季」 |
会期 | ポーラ ミュージアム アネックス |
会場 | 2023年9月15日(金) ~ 10月15日(日) |
住所 | 〒104-0061 中央区銀座1-7-7 ポーラ銀座ビル3階 |
Webサイト | https://www.po-holdings.co.jp/m-annex/index.html |
開館時間 | 11:00~19:00 (入場は18:30まで) |
休館日 | 会期中無休 |
入場料 | 無料 |