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甲斐荘楠音の全貌 絵画、演劇、映画を越境する個性 in 東京ステーションギャラリー

東京ステーションギャラリーでは、「甲斐荘楠音の全貌 絵画、演劇、映画を越境する個性」が2023年7月1日(土)から8月27日(日)まで開催されます。甲斐荘楠音(1894~1978/かいのしょうただおと)は、大正から昭和初期にかけて日本画家として活動し、戦前の画壇で高い評価を受けますが、1940年頃に画業を中断し映画業界に転身。長く、その業績が顧みられることがなかったといわれます。本展は1997年以降26年ぶり、東京の美術館では初となる本格的な甲斐荘の回顧展として、彼の業績を再定義する機会となるでしょう。

甲斐荘:多面的な個性をもった不世出の表現者
一度観たら忘れることができない、あやしい魅力を放つ美人画。デカダンス薫る大正画壇の異才にして、衣裳・風俗考証家として昭和チャンバラ時代劇の陰の立役者ともいわれた甲斐荘楠音。芝居を愛し、自らも演じることに興じた趣味人にして数寄者(風流人、芸道に執心な人)だった彼の実像は、単に謎多き「あやしい画家」というだけではなく、「多面的な個性をもった不世出の表現者」ではなかったのか。本展は多彩な作品と資料から甲斐荘の知られざる「越境性」を明らかにすることにより、従来の甲斐荘のイメージをアップデートする過去最大の回顧展です。


これまで知られてきた妖艶な絵画作品はもちろんのこと、スクラップブック・写真・写生帖・映像・映画衣裳・ポスターなど、甲斐荘に関する作品や資料のすべてが等しく展示されることにより、私たちの認識も変わるのではないでしょうか。

日本画家として意欲的な作品を次々と発表
甲斐荘は大正期から昭和初期にかけて日本画家として活動し、革新的な日本画表現を世に問うた「国画創作協会」の一員として意欲的な作品を次々と発表しました。「国画創作協会」解散後、甲斐荘が新たな活動の場としたのが絵画団体「新樹社」で、その第1回に出品された甲斐荘の意欲作《春》が、はるばるニューヨーク・メトロポリタン美術館から凱旋。「あやしい」だけではない、甲斐荘の朗らかでロマンティックな「陽」の一面を象徴しているこの名作は、日本での一般公開は本展が初めてとなります。


この他、1916(大正5)年頃に描かれた《横櫛》のように、情念のこもった画面ではあるものの、レオナルド・ダ・ヴィンチ《モナ・リザ》や北宋時代の画家・趙昌の引用など洋の東西を問わず古典に学んだ理知的な面もうかがえる名作も出品されます。

衣裳・風俗考証家として日本の時代劇映画の黄金期を支える
甲斐荘は戦前の画壇で高い評価を受けていましたが、1940年頃に画業を中断して映画業界に転身し、衣裳・風俗考証家として日本の時代劇映画の黄金期を支えました。衣裳・風俗考証家としては、映画監督・溝口健二に「甲斐荘君が手伝ってくれると品がよくなる」と言われたほどで、他にも伊藤大輔や松田定次ら、当時の時代劇映画の名監督たちから厚い信頼を得ていました。


本展では、甲斐荘が『雨月物語』(溝口健二監督・1953年)のために考案し、アカデミー賞衣裳デザイン賞にノミネートされた衣裳もパリのシネマテーク・フランセーズより来日します。他にも東映京都撮影所に保管されていた往年の映画衣裳の数々が展示されます。「旗本退屈男」シリーズの豪華衣裳を中心に、甲斐荘が考証・提案し、彼の見識や感性がうかがえる映画衣裳をポスターやスチルなども併せて展示されます。

現代でも共感できる越境するクリエイティビティ
現代にも、表現したい本質や根底にあるものはひとつでも、多彩な表現手法やメディアで、アートだけでなく様々なジャンルを越境して活躍している作家がたくさんいます。
甲斐荘が活躍したころの日本映画は、1912年(大正元年)に日本初の本格的な映画会社である日本活動写真株式会社(略称:日活)が発足し、1920年(大正9年)には歌舞伎が本業の松竹も映画会社を設立。1931年(昭和6年)には完全なトーキーの日本映画が初登場して、その後は戦前の黄金期を迎えるなど、表現の場としての可能性が大きく広がった時期でした。


そうした時代背景を頭において、様々な場で才能を発揮した甲斐荘の業績をたどっていくと、私たちのような現代のアート好きとしても、表現者としての彼のクリエイティビティに共感できる部分がきっと見つかるのではないかと思います。

タイトル 甲斐荘楠音の全貌 絵画、演劇、映画を越境する個性
会期 2023年7月1日(土) 〜 8月27日(日)
※会期中、展示替えがあります
会場 東京ステーションギャラリー
住所 〒100-0005 東京都千代田区丸の内1-9-1
Webサイト https://www.ejrcf.or.jp/gallery
開館時間 10:00 ~ 18:00
※金曜日は20:00まで開館
※入館は閉館30分前まで
休館日 月曜日[7/17、8/14、8/21は開館]、7/18(火)
チケット情報 オンラインチケット購入はこちら
当日券=東京ステーションギャラリー1階入口
料金 ●当日
【一般】1,400円
【高校・大学生】1,200円
●前売
【一般】1,200円
【高校・大学生】1,000円
備考 *中学生以下無料
*前売期間は2023年6月1日から6月30日まで、オンラインチケットで販売
*障がい者手帳等持参の方は入館料から100円引き(介添者1名は無料)
*学生の方はご入館の際、生徒手帳・学生証をご提示ください