ルートヴィヒ美術館展 20世紀美術の軌跡―市民が創った珠玉のコレクション in 国立新美術館
国立新美術館(東京・六本木)では、「ルートヴィヒ美術館展 20世紀美術の軌跡―市民が創った珠玉のコレクション」が2022年6月29日(水)から9月26日(月)まで開催されています。
ドイツ・ケルン市が運営するルートヴィヒ美術館が所蔵する、ドイツ表現主義や新即物主義、ピカソ、ロシア・アヴァンギャルド、ポップ・アートなど、絵画、彫刻、写真、映像を含む約150点の出品作品を通じて、20世紀初頭から今日までの100年の美術史をたどる多様な表現を楽しみながら、文化・芸術を次世代につなごうとした市民コレクターたちの想いに触れてみてはいかがでしょうか。
ルートヴィヒ美術館のコレクションは、市民のコレクターたちによる寄贈を軸に形成されてきました。20世紀前半のふたつの世界大戦と東西ドイツへの分断、そして復興と再びの統一という困難な時代の中、市民のコレクターたちは厳しい状況に翻弄され、時に立ち向かい、また時に社会の新しい息吹に鼓舞された同時代のアーティストたちに目を向けました。コレクターたちの文化・芸術を愛し、これを次世代に継承しようとした想いが美術館のコレクションや芸術活動への礎となっています。
このような背景から、本展はルートヴィヒ美術館のコレクションの代表的な作品を、寄贈にかかわったコレクターたちに焦点を合わせて紹介されています。特に序章「ルートヴィヒ美術館とその支援者たち」で見ることができる、弁護士ハウプリヒ氏と館名にも冠されているペーター・ルートヴィヒ氏とのエピソードは興味深いものがあります。
ハウプリヒ氏は第二次大戦前より美術品の収集を行っていましたが、戦争による様々な困難からコレクションを守り、戦後すぐの1946年にそのコレクションをケルン市に寄贈しました。それが旧ケルン大学の建物で公開され、21歳の学生だったペーター・ルートヴィヒ氏もこれを見て深く感銘を受け、後の美術館支援活動に大きな影響を与えたといわれます。
このように市民のコレクターが意志をつないできたことにより、今日ルートヴィヒ美術館は以下のような点で国際的にも高く評価されています。
・ヨーロッパで最大級のポップ・アートのコレクション
・表現主義や新即物主義などのドイツ近代美術とその同時代のロシア・アヴァンギャルドのコレクション
・世界で3本の指に入るピカソのコレクション
・写真史を網羅する質・量ともに優れた写真コレクション
・世界各地の現代美術のコレクション
本展ではこれらのコレクションから約150点が、序章を含む全8章で構成された会場で紹介されています。
本展は、美術を通じて歴史が分かり、歴史のなかに美術が見えてくる展覧会です。また、20世紀の社会変革を通じて市民階級の人々が何に心を惹かれていたのか、ひいては美術館の社会的な意義が感じ取れるようなアート体験が期待できるでしょう。
タイトル | ルートヴィヒ美術館展 20世紀美術の軌跡―市民が創った珠玉のコレクション |
会期 | 2022年6月29日(水)~ 9月26日(月) |
会場 | 国立新美術館 企画展示室2E |
住所 | 〒106-8558 東京都港区六本木7-22-2 |
展覧会HP | https://ludwig.exhn.jp |
開館時間 | 10:00~18:00 ※毎週金・土曜日は20:00まで ※入場は閉館の30分前まで |
休館日 | 毎週火曜日 |
料金 | 一般:2,000円 大学生:1,200円 高校生:800円 ※中学生以下は入場無料。 ※障害者手帳をご持参の方(付添の方1名含む)は入場無料。 ※7月16日(土)~ 18日(月)は高校生無料観覧日(学生証の提示が必要)。 |
チケット情報 | 混雑緩和のため、事前予約制(日時指定券)を導入されています。チケットの詳しい情報は、展覧会HPのチケット情報をご覧ください。 |