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所蔵作品展 MOMATコレクション in 東京国立近代美術館

東京国立近代美術館では、所蔵作品展「MOMAT コレクション」が2023年3月17日(金)から2023年5月14日(日)まで開催されています。2022年12月1日に開館70周年を迎えた同館は、13,000点を超える国内最大級のコレクションを有し、19世紀末から今日まで、国を代表する多数の名作を所蔵しています。重要文化財は18点(うち2点は寄託)を所蔵し、今期は1階で開催されている企画展「東京国立近代美術館70周年記念展 重要文化財の秘密」と連動した企画も楽しむことができます。桜の開花から新緑がお堀の水面に美しく映えるさわやかな季節に、お出かけしてみてはいかがでしょうか。

2022年12月1日に開館70周年を迎え、次の10年への一歩を踏み出す今期は、振り返りと展望を随所に盛り込んだ、見どころの多いコレクション展になっています。

重文作家の秘密 (所蔵品ギャラリー 4階 2室)
1階の企画展「東京国立近代美術館70周年記念展 重要文化財の秘密」は、すべての出品作品が重要文化財となるなど、過去に例を見ない展示構成になっており、名作が重要文化財に指定されるまでの背景や意外なエピソードなどが、“秘密”として紹介されています。

こちらのコレクション展でも、作品が重要文化財に指定されている作家による、重要文化財以外の作品を通して“秘密”を見ることができます。例えば、東京国立近代美術館所蔵の平福百穂《荒磯》は、重要文化財に指定された彼の作品《豫譲》(永青文庫蔵、熊本県立美術館寄託)より数多く画集などに掲載されています。また、同じことが下村観山《木の間の秋》にも言え、同じく重文指定の《弱法師》(東京国立博物館蔵)よりも画集の掲載数では上回ります。
こうしたことが起きる要因のひとつとして、1990年代以降に明治時代後半における琳派ブームに関する研究が進み、実践例として注目され、画集の掲載数が多くなったといわれています。

コレクションによる小企画 (所蔵品ギャラリー 2階ギャラリー 4)
開館以来70年の歴史の中で、東京国立近代美術館では数多くの修復家と共同して、所蔵作品の適切な保存に努められました。修復とは単に元にあった姿へ戻すだけでなく、作品を吟味し、技法や素材の特性を明らかにしていく技術です。作品自身は物を言いませんが、修復家はしばしば、作品との“対話”の中で、作家のコンセプトや作品の表現へ近づく道筋をも示してくれます。作家が没した後に、制作の核心に迫ろうと推理をめぐらす修復家の卓抜な腕、眼、頭、そして彼/彼女らが解き明かす作品の秘密に触れることができる貴重な機会です。

春の屏風まつり (所蔵品ギャラリー3階 10室)
毎年恒例となったの「美術館の春まつり」。今年は特別に、桜や花にちなんだ屏風ばかり6点を集め、屏風という形式そのものの楽しみが紹介されています。
作家たちが好んで屏風に描く理由は、①画面が大きいから、②収納が便利だから、③屏風のジグザグの折れに独特の画面効果が望めるから、などが考えられます。では、そのうえで屏風にはどのような主題が選ばれ、作家は屏風の効果をどのように計算に入れて描くのか。ただの平面ではない屏風の“秘密”が会場にて明かされています。
モダンなグラフィックで大人気の杉浦非水「非水百花譜」が23点も展示されます。

 

特別公開パウル・クレー《黄色の中の思考》 (所蔵品ギャラリー4階 5室)
日本でもたいへん人気が高いパウル・クレー。東京国立近代美術館では、日本の近代美術に与えた影響の大きさから、最も重要な海外作家の一人としてコレクションを充実させてきました。2021年度の新収蔵品《黄色の中の思考》は、長く個人が所有し、ほとんど人目に触れることのなかった作品です。この作品が特別公開されるほか、同館が所蔵するクレー作品全15点と、クレーに関わりの深い作品を集めて紹介されています。

ハイライト 所蔵品ギャラリー4階1室
今期のハイライトは、重要文化財の作品のほとんどを男性作家が占めることを踏まえて、男女の作家を同数にして東京国立近代美術館所蔵の名品が紹介されます。単純に数を揃えただけで問題が是正されるわけではありませんが、これまでの価値基準を問い直し、今後の調査研究や収集につなげていくための試みです。3月8日は国際女性デーにあたり、3月は女性のエンパワーメントやジェンダー平等を考える機会が多いですが、美術館としてこれからの時代を見据え、過去の美術に対する新たなアプローチへの取り組みとして期待したいと思います。

イサム・ノグチ《門》 10年ぶりの塗り替え
《門》は、1969年に東京国立近代美術館が京橋から現在の北の丸公園へ新築・移転した時にあわせて設置された作品です。設置されたときの色は「赤」でしたが、その後はイサム・ノグチ本人の指示により、塗り替えのたびに色が変わることになっています。
「赤」を例外に、「赤+黒」、「青」、「黄+黒」の3ヴァージョンがあり、現在はこの3つが順に繰り返されています。昨年12月の塗り替えにより、作品の色が「赤+黒」から「青」に10年ぶりに変わった姿を見ることができます。

タイトル 所蔵作品展 MOMATコレクション
会期 2023年3月17日(金)~ 5月14日(日)
会場 東京国立近代美術館 本館所蔵品ギャラリー(4F~2F)
住所 〒102-8322 東京都千代田区北の丸公園3-1
Webサイト https://www.momat.go.jp/am/
開館時間 10:00 ~ 17:00(金曜・土曜は10:00 ~ 20:00)
*入館は閉館30分前まで
休室日 月曜日(ただし3月27日、5月1日、8日は開館)
チケット情報 東京国立近代美術館 所蔵作品展の予約優先チケット(日時指定券)をご予約いただけます。
詳しくは、こちらへ ⇒ チケット予約ページ
料金 一般:500円(400円)
大学生:250円(200円)
※( )内は20名以上の団体料金。いずれも消費税込。5時から割引(金曜・土曜):
一般:300円
大学生:150円
備考 ※高校生以下および18歳未満、65歳以上、「MOMATパスポート」をお持ちの方、障害者手帳をお持ちの方とその付添者(1名)は無料。入館の際に、学生証、運転免許証等の年齢の分かるもの、障害者手帳等をご提示ください。
※キャンパスメンバーズ加入校の学生・教職員は学生証または教職員証の提示でご観覧いただけます。