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所蔵作品展 MOMATコレクション in 東京国立近代美術館

東京国立近代美術館では「関東大震災から100年」と「生誕100年大辻清司」の2つの小特集を含む「所蔵作品展 MOMATコレクション (2023.5.23–9.10) 」が開催されています。
関東大震災から100年の節目である今年、震災を切り口に、幅広いジャンルの作品と資料で1920~30年代を振り返ります。また、戦後まもなく前衛的な作品で注目され、幅広い活躍で存在感を示した写真家・大辻清司(1923~2001)の生誕100 年を記念して、その足跡の一端が紹介されています。

東京国立近代美術館のMOMAT コレクションは、13,000点を超える所蔵作品から選りすぐりの約200点を、会期毎に3フロア、12の部屋に分けて展示されています。19世紀末から現代までの日本美術の歴史を、海外作品も交えながら、毎回多様な切り口で楽しむことができます。
「所蔵作品展 MOMATコレクション」は期間中、一部の作品の入れ替えがあります。
前期:2023年5月23日(火)~7月17日(月)
後期:2023年7月19日(水)~9月10日(日)
※各期の展示作品の詳細は公式サイトの作品リスト(pdf)をご参照ください。

小特集 関東大震災から100年
所蔵品ギャラリー 2-4室(4F)
今年は1923年9月1日に発生した関東大震災から100年目にあたります。これを踏まえ、特別に3つの展示室で100年前の災害と美術の関係を幅広いジャンルの作品と資料で紹介されています。震災が起こった当日は、第10回の再興院展と二科展の初日でした。東京国立近代美術館のコレクションから、その展覧会に出品されていた作品も展示されます。また、震災後に加速した前衛的な美術として、近年海外からの高い注目を浴びている村山知義が参加した「マヴォ」をはじめ、新興美術と呼ばれた当時の過激な前衛グループの活動も観ることができます。


この他、美術家による震災の被害や復興の記録や、震災の前後に勃興した美術運動は不安定な時代の社会の問題を描いており、ウクライナ情勢に代表される戦争への不安やパンデミック後の社会生活の回復など、現代の状況と通じ合うところもあるのではないでしょうか。
日本画、油彩、版画、写真、彫刻、グラフィックデザインなど、幅広いジャンルの作品と資料が前後期合わせて60点以上もの展示を通じて、学びや発見が期待できます。

 

小特集 生誕100年大辻清司
所蔵品ギャラリー 7-9室(3F)
協力:武蔵野美術大学 美術館· 図書館
大辻清司は1950年代から70年代にかけて、幅広い領域のアーティストと交流し、旺盛な実験精神に貫かれた前衛的な写真作品を精力的に発表しました。また写真というメディアがもつ可能性について思索をつづけ、写真論や教育者としても優れた功績を残し、後の世代に大きな影響を与えた、今、最も注目すべき写真家のひとりです。


今年は生誕100年にあたり、これを記念してその足跡の一端が紹介されています。大辻の写真作品だけでなく、東京国立近代美術館のコレクションから同時代の絵画や彫刻など交え、前後期合わせて70点以上が展示されます。大辻が駆け抜けた、戦後の高度経済成長により激しく変貌していく社会や人、街の姿とともに様々なカルチャーが生まれた独特な時代の軌跡がバリエーション豊かな作品群から浮かび上がり、懐かしくも私たち自身の現在地を確かめる興味深い体験となるでしょう。

小特集 生誕100年大辻清司の展示は以下のように3つの部屋で構成されています。

『実験』と『共同』:
大辻自身が関わった運動として、表現者集団である「実験工房」と「グラフィック集団」について、当時の若々しく実験精神あふれる活動が紹介されています。

『具体』と『物質』:
大辻が目撃したものとして1950年代の初期「具体美術協会」と、いわゆる「もの派」の動向が注目された1970年の「第10回日本国際美術展 人間と物質」が取り上げられています。これらの展覧会は今や伝説となっており、この歴史的な現場を見つめた大辻の視点と記録は興味深いものになるでしょう。

上原二丁目:
自らを被験者として、大辻が深めていった写真をめぐる思索をたどることができます。東京・代々木上原の大辻の自宅兼アトリエなど、身近な環境に向けられた独自のまなざしに迫る展示内容で小特集が締めくくられています。

 

【展覧会構成】

4F
1-5室 1880s-1940s 明治の中ごろから昭和のはじめまで
1室 ひらけ近代
2室 関東大震災から100年 1923年の美術
3室 関東大震災から100年 被災と復興
4室 関東大震災から100年 社会のひずみ
5室 なにかになりそうなかたち

3F
6室 1920-1940年代の絵画―具象的な絵画を中心に
7室 「実験」と「共同」生誕100年大辻清司(1)
8室 「具体」と「物質」生誕100年大辻清司(2)
9室 上原2丁目 生誕100年大辻清司(3)
10室 新収蔵&特別公開|池田蕉園《かえり路》1(前期)
10室 新収蔵&特別公開|池田蕉園《かえり路》2(後期)

2F
11室 視覚のラビリンス
12室 視覚のラビリンス
13室(ギャラリー4) カタストロフの前後

 

タイトル 所蔵作品展 MOMATコレクション
会期 前期:2023年5月23日(火)~ 7月17日(月)
後期:2023年7月19日(水)~ 9月10日(日)
会場 東京国立近代美術館 所蔵品ギャラリー(4F~2F)
住所 〒102-8322 東京都千代田区北の丸公園3-1
Webサイト https://www.momat.go.jp/
開館時間 10:00~17:00(金曜・土曜は10:00~20:00)
入館は閉館30分前まで
休館日 月曜日(ただし7月17日は開館)、7月18日(火)
チケット情報 東京国立近代美術館 所蔵作品展の予約優先チケット(日時指定券)をご予約いただけます。
詳しくは、こちらへ ⇒ チケット予約ページ
料金 一般 500円(400円) 大学生 250円(200円)
( )内は20名以上の団体料金。いずれも消費税込。
5時から割引(金曜・土曜 :一般 300円 大学生 150円)
備考 ・高校生以下および18歳未満、65歳以上、「MOMATパスポート」をお持ちの方、障害者手帳をお持ちの方とその付添者(1名)は無料。入館の際に、学生証、運転免許証等の年齢の分かるもの、障害者手帳等をご提示ください。
・キャンパスメンバーズ加入校の学生・教職員は学生証または教職員証の提示でご観覧いただけます。