パリ・オペラ座-響き合う芸術の殿堂 in アーティゾン美術館
アーティゾン美術館では、「パリ・オペラ座-響き合う芸術の殿堂」が2022年11月5日(土)から2023年2月5日(日)まで開催されています。
パリのオペラ座は、バレエやオペラの輝かしい殿堂としてよく知られた劇場で、17世紀に設立されたこの劇場の歴史や社会背景だけでも興味深いものがあります。本展はそれに加え、一般的によく「総合芸術」と呼ばれるオペラの、いろいろな芸術とのつながりを紹介していく、これまでにない新たな試みが見られる意欲的な企画となっています。
フランスを代表する歌劇場であるパリ・オペラ座の現在の建築は、19世紀後半パリの近代化の一環として計画され1875年に完成しています。その前身は1669年にルイ14世によって設立された王立音楽アカデミーで、それ以来350年もの間、一貫して台本作家や作曲家、美術家が、芸術的な進展や技術的な革新を可能にする表現を常に求められる場であると言われています。
特に本展は、19世紀から20世紀初頭に焦点があてられています。この時代は、18世紀末のフランス文学や音楽、アートのロマン主義に影響を受けたロマンティック・バレエや、大がかりで豪華な舞台装置、大編成のオーケストラや合唱、バレエが融合したグランド・オペラ。そして、ピカソやマティスなど、当時パリで活躍していた若手アーティストをも巻き込み、アートやファッション、音楽の世界にも大きな影響を与えたバレエ・リュスなどが興隆した時期にあたります。
フランス国立図書館音楽部門には、パリ・オペラ座で上演した作品を中心に、フランスのオペラ、バレエ関係の資料が数多く収蔵されています。本展では、このフランス国立図書館の所蔵する約200点をはじめ、オルセー美術館の所蔵するエドガー・ドガ《バレエの授業》など国内外から集結したオペラ座に関連する作品が紹介され、芸術的、文化的、社会的な視野から革新性にあふれたパリ・オペラ座の歴史的な意味が明らかになるでしょう。
また一般的に、オペラは総合芸術だとよく言われます。それは音楽や、演出や演技といった演劇の要素、ストーリーや歌詞などの文学の要素、そして舞台装置や照明、衣装に見られるアートの要素など、さまざまな芸術的な要素が組み合わさっているからです。
本展ではルイ14世の時代の舞台装飾家や衣装デザイナーから、19世紀のグランド・オペラの作曲家やロマンティック・バレエのダンサー、さらには21世紀の演出家に至るまで、パリのオペラ座が、あらゆる分野の創造者と連携して、いかにして自らの芸術方針を築いてきたのかが明らかにされています。
最後に、19世紀フランスの画家エドゥアール・マネ(1832~1883)は、パリのオペラ座を題材とした作品を制作しています。本展はアーティゾン美術館が所蔵する1点と、ワシントン、ナショナル・ギャラリーが所蔵する作品の、合わせて2点がとともに展示される貴重な機会となります。これもまた、本展の見逃せないポイントのひとつでしょう。
オペラやバレエに興味のある方はもちろん、アートをはじめ芸術全般に親しんでいる方にとって、楽しいひと時になるでしょう。
【章構成】
序曲:ガルニエ宮の誕生
第1幕:17と18世紀
(1)「偉大なる世紀」の仕掛けと夢幻劇 (2)音楽つきの「雅宴画」(フェート・ギャラント) (3)新古典主義の美的変革
第2幕:19世紀[1]
(1)ル・ペルティエ劇場 (2)グランド・オペラ (3)ロマンティック・バレエ (4)装飾職人と衣装画家 *パリの観劇をめぐって
第3幕:19世紀[2]
(1)グランド・オペラの刷新 (2)ドガとオペラ座 (3)劇場を描く画家たち (4)ヴァーグナーの美学 *作家とオペラ座 *ジャポニスムとオペラ座
第4幕:20と21世紀
(1)バレエ・リュス (2)近代芸術とオペラ座 (3)画家・デザイナーと舞台美術 (4)演出家と振付師のオペラ *映画とミュージカル
エピローグ:オペラ・バスティーユ
タイトル | パリ・オペラ座−響き合う芸術の殿堂 |
会期 | 2022年11月5日(土)~ 2023年2月5日(日) |
会場 | アーティゾン美術館 6・5階 展示室 |
住所 | 東京都中央区京橋1-7-2 |
Webサイト | https://www.artizon.museum/exhibition_sp/opera |
開館時間 | 10:00 ~ 18:00(毎週金曜日は20:00まで) *入館は閉館の30分前まで |
休館日 | 月曜日(1月9日は開館)、12月28日~1月3日、1月10日 |
料金 | 【一般】 ウェブ予約チケット 1,800円 *クレジット決済のみ 当日チケット(窓口販売)2,000円 【大学生・専門学校生・高校生】 無料 要予約 ・入館時に学生証か生徒手帳をご提示ください ・ウェブ予約をされない場合は「当日チケット」(一般)をご購入ください 【障がい者手帳をお持ちの方と付き添いの方1名】 無料 要予約 ・入館時に障がい者手帳をご提示ください 【中学生以下の方】無料 予約不要 |
チケット情報 | アーティゾン美術館は日時指定予約制です。 あらかじめご来館前に入場券をご購入ください。 ウェブ予約チケット購入はこちら |
備考 | *ウェブ予約チケット:各入館時間枠の終了10分前まで販売。 *当日チケット:ウェブ予約チケットが完売していない場合のみ販売。 *予約枠には上限があります。 *この料金で同時開催の展覧会を全てご覧いただけます。 |
同時開催 | 石橋財団コレクション選 特集コーナー展示 Art in Box ーマルセル・デュシャンの《トランクの箱》とその後 |