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ポーラ ミュージアム アネックス展 2023 ― 自立と統合 ― 前期 in ポーラ ミュージアム アネックス

ポーラ ミュージアム アネックスでは、「ポーラ ミュージアム アネックス展 2023」が2023年2月10日(金)から4月16日(日)の間、前後期に分けて開催されています。2023年2月10日(金)から3月12日(日)までは前期として、國川裕美氏、星野薫氏、吉濱翔氏の3名によるグループ展示が行われています。
それぞれイタリア、ドイツ、イギリスで研修された成果発表として、若手アーティストの作品を楽しむことができます。

公益財団法人ポーラ美術振興財団では、日本の芸術分野の専門性の向上を目的に、1996年より若手アーティストの海外研修を助成されています。その研修成果を多くの方に観ていただく機会を設けて、今後の創作活動に活かして欲しいという趣旨で、本展は毎年2月から4月にかけて定期的に開催され、今回で第21回となります。
近年の研修員より選ばれた6名の方の作品が、ポーラ美術館 木島俊介館長 監修のもと、「自立と統合」と題し展示されています。

【作家・作品紹介】

國川裕美  Hiromi Kunikawa
國川裕美氏は2019年にイタリア・トスカーナ州のカッラーラで研修をされています。カッラーラは昔から大理石の産地として知られ、特にカッラーラ・ビアンコという白い大理石は有名です。國川氏は専門分野を彫刻として、「カッラーラにおいて実践的な石材加工方法を研究し、制作を行う。エトルリア文明の調査。」に取り組まれています。


本展での出品はいずれも立体作品で、中央に配置された《異界の使者》が目を引きます。壁に展示されている小さな《ハシビロコウ》の陶の作品は、《異界の使者》の試作のような位置づけの作品だそうです。実際に動物園で観るハシビロコウはいかつい顔をしていますが、《異界の使者》はなんともいえない穏やかで、気品さえ感じる表情がとても魅力的です。

 

星野薫  Kaoru Hoshino
星野薫氏は2021年から2022年の1年間、現代美術を専門分野としてドイツで研修をされています。ドイツでは2018年から活動をされているようで、「ありふれたものや人々から忘れられたものを素材とした制作活動」に取り組まれています。


星野氏の展示は、2つの作品がインスタレーションのように配置されています。ガラス瓶を素材にした作品は、よく見ると何本かの瓶の首や注ぎ口がかわいらしい花のようなかたちに加工されています。作品タイトルからは社会システムに対する批評性も感じられますが、展示そのものは楽しくもあり、観ている私たちも素直にメッセージが受け取れそうです。

 

吉濱翔  Syo Yoshihama
吉濱翔氏は2017年に現代美術を専門分野としてイギリスで研修をされ、「新たなインプロヴィゼーションの技法の獲得」に取り組まれています。展示キャプションでも、「私の態度は受け身である。」と自身で述べられており、大きくは雪原と街という2つの風景が見える、“即興演奏”のような作品が展示されています。


特にバイノーラルで録音されたサウンドは、ヘッドセットを通じて聴くと没入感があり、作品の世界観に一気に引き込まれます。雪原でのサウンドは、おそらくホワイトアウトに近い状況での、強い風と雪を踏みしめる足の音が印象に残ります。吉濱氏が沖縄県生まれであることを加味すると、そこで何と出会い、どんな関係性を感じられたのか、いろんなイメージがわいてきて楽しくなります。

 

【 監修者プロフィール】 ※プレスリリースより
木島 俊介:ポーラ美術館館長。1939年鳥取県生まれ。慶応義塾大学文学部卒業、美学・美術史専攻。フィレンツェ大学、ニューヨーク大学大学院、同美術史研究所に学ぶ。群馬県立近代美術館館長および群馬県立館林美術館館長、共立女子大学教授等を務め、現在、同大学名誉教授、東急文化村ザ・ミュージアム プロデューサー。主要著書は、『美しき時祷書の世界』(中央公論社)、『アメリカ現代美術の25人』(集英社)、『女たちが変えたピカソ』(中公文庫)、『名画が愛した女たち 画家とモデルの物語』(集英社)、『クリムトとウィーン』(六耀社)、翻訳書に『ヨーロッパの装飾芸術 全3巻』(中央公論新社)など。

【公益財団法人ポーラ美術振興財団の活動概要】 ※プレスリリースより
公益財団法人ポーラ美術振興財団では、美術分野などの若手芸術家及び美術の専門職員に対する助成活動を行っています。主に美術分野における研究活動テーマを広く一般から募集し、有識者で構成される選考委員会によって採択・助成し、日本文化の向上、発展に寄与することを目的に以下の活動を行っています。
【参考資料:令和4年度助成採択内容】
(採択数)(助成金額)
(1)若手芸術家の在外研修に対する助成
13件 4,195万円
(2)美術館職員の調査研究に対する助成
12件 1,824万円
(3)美術に関する国際交流の助成
8件 1,600万円

タイトル ポーラ ミュージアム アネックス展 2023 ― 自立と統合 ―
会期 前期:2023年2月10日(金) ~ 3月12日(日)
後期:2023年3月17日(金) ~ 4月16日(日)
会場 ポーラ ミュージアム アネックス
住所 〒104-0061 中央区銀座1-7-7 ポーラ銀座ビル3階
Webサイト https://www.po-holdings.co.jp/m-annex/exhibition/index.html
開館時間 11:00-19:00 (入場は18:30まで)
休館日 会期中無休
料金 無料