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齊藤 拓未|微かな瞬き at GALLERY MoMo Ryogoku

GALLERY MoMo Ryogokuでは、齊藤拓未の個展「微かな瞬き(またたき)」が2024年4月6日(土)から5月18日(土)まで開催されています。同ギャラリーでは2回目の個展となる本展では、公園や砂場、学校帰りに見た風景や子どもたち、くりりとした目が印象的な少女などが登場し、私たちの誰もが心の中に持っている断片化した記憶が、何かここで、ひとつの意味をもって繋がっていくような不思議な感覚に包まれます。心が整い、素の自分を思い出せる気がする本展に、ぜひ、お出かけしてみてください。

私たちの断片化した記憶と重なる情景

ギャラリーには、作品がほどよい距離感で白い壁に配置されています。メインビジュアルにもなっている少女がモチーフの作品数点の間を、公園の砂場や話し声が聞こえてきそうな足のクローズアップなど、子どもたちの周りにありそうな情景が連なっています。
作品の多くは白いキャンバスではなく、深い緑色の地のキャンバスに描かれていることで、独特の色彩感を生み出し、現実とも、うたかたともいえない不思議な世界観を作り出しているように感じられます。
ただ、いずれの少女の表情や子どもたちが遊ぶ情景は既視感があり、どこか私たちの断片化した記憶と重なってくるようです。


自身の経験が投影されたような少女のモチーフ

齊藤拓未は1996年に東京で生まれ、2018年に武蔵野美術大学造形学部日本画学科を卒業し、2020年同大学造形研究科修士課程美術専攻日本画コースを修了。その後、東京で個展やグループ展を重ねてきました。
齊藤は作品を通じて、幼少期に委ねられた自我の確立や、他者との関係性について深く考察しながら、自身の経験を少女に投影しているようです。また残しておきたい、目には見えない感情を表現しながら、自己同一性や主体性を探求しています。齊藤の描く少女たちは、無邪気さやあどけなさはないものの、大人でもなく、その微妙な狭間を描いているようにも感じます。

観る私たちの記憶と結びつく少女のまなざし

そして、本展にも何人かの少女が登場していますが、いずれも、観る私たちをまっすぐに観ている子はいません。ですが、うつむき加減でもありません。メインビジュアルにもなっている《lose track of time》の少女は顔を正面に向けていますが、視線は帽子のふちにとまった蝶に向いているようです。《陽のにおい》では気持ちよさそうに目は閉じられ、奥に配置された草むらに立つ子が描かれた《fulfilling time》では、足元の何かを見つめているようです。


想えば、何かに夢中になったり、探したりした時に、私たちもこの女の子のような仕草をしたような気がします。でも、最後にした記憶はいつの頃だったでしょうか?人によっては、つい最近のことであり、逆にずいぶん昔のことのように感じる人もいるかもしれません。

日々の中で見つけた一瞬のきらめきがここに

齊藤自身が『日常の中で自分自身に戻っている、正直になれていると感じられる時間や縛られているものから解放されている、社会と距離を置いている状態を描いているものが多い』と語るように、作品には、日々の中で見つけた一瞬のきらめきやささやかな幸せの風景が描かれているようです。
そうした風景が、私たちの断片化した記憶や感覚を繋ぎ合わせ、その時に私たちが何を見て、何を探していたのかを思い出させてくれるのかも知れません。

この少女たちは、これからどこへ行き、どんな風に生きるのでしょうか。このままでいて欲しいと思う一方で、また何か新しいことを期待したいという複雑な気持ちにもなります。本展のタイトル通り、“微かな瞬き(またたき)”のような情景に身をゆだねるために訪れてはいかがでしょうか。

最後に、ギャラリーの公式Webサイトに掲載されたアーティストコメントを引用で紹介します。

◆◆◆

生活の中で見る風景や、身近な物の見え方が変わることがあります。
消極的な印象をもっていたことの別の側面を、遊びのなかで発見したり、気にとめていなかったものが魅力的に見えたりします。
そうした感覚は幼少期の体験とも重なり、見落とされやすい日々の出来事を見つけるきっかけになっています。
2024年 齊藤 拓未

◆◆◆

タイトル 齊藤 拓未|微かな瞬き
会期 2024年4月6日(土)~ 5月18日(土)
会場 GALLERY MoMo Ryogoku
住所 130-0014 東京都墨田区亀沢1-7-15
Webサイト https://www.gallery-momo.com/current-ryogoku
開廊時間 11:00 ~ 19:00
休廊日 日曜・月曜・祝日
観覧料 無料