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サエボーグ「I WAS MADE FOR LOVING YOU」/津田道子「Life is Delaying 人生はちょっと遅れてくる」 Tokyo Contemporary Art Award 2022-2024 受賞記念展 at 東京都現代美術館

東京都現代美術館ではTokyo Contemporary Art Award 2022-2024 受賞記念展として、サエボーグ「I WAS MADE FOR LOVING YOU」と津田道子「Life is Delaying 人生はちょっと遅れてくる」が2024年3月30日(土)から7月7日(日)まで開催されています。Tokyo Contemporary Art Award(略称:TCAA)は、中堅アーティストを対象とした、受賞から複数年にわたる継続的支援によって更なる飛躍を促すことを目的に、東京都とトーキョーアーツアンドスペース(TOKAS)が実施する現代美術の賞です。
毎回2名(組)の作家が選考され、本展は4回目受賞者のサエボーグと津田道子によるそれぞれの個展として、2022年3月の受賞から約2年間の支援期間を経て実現しています。今後の飛躍が期待される2名の現在地は見逃せないでしょう。ぜひ、お出かけしてはいかがでしょうか。

東京から創造・発信するアートセンター:TOKAS

トーキョーアーツアンドスペース(TOKAS)は、幅広いジャンルの活動や領域横断的・実験的な試みを支援し、同時代の表現を東京から創造・発信するアートセンターです。ミッションに、「新進・中堅アーティストの継続的支援」、「創造的な国際文化交流の促進」、「実験的な創造活動の支援」を掲げ、若手・中堅作家の作品発表や企画展、公演や公募企画の実施のほか、国内外の幅広いジャンルのクリエーターを対象にしたレジデンス・プログラムを実施するなどさまざまな活動を展開しています。

鑑賞者のふるまいが作品の一部に

ふたりの個展は制作に対する関心もアプローチも大きく異なり、それぞれが独立したものでありながら、展示室内での鑑賞者のふるまいが作品の一部となるという共通点を持っています。鑑賞を通じて自分自身に向き合うことで、動物を含む他者との関係性や、社会的に期待された役割などに目を向けることにもなることでしょう。

【作家紹介(コメント/プロフィール)】
※以下、プレスリリースより引用

サエボーグ| Saeborg

1981 年富山県生まれ、東京都在住。
半分人間で、半分玩具の不完全なサイボーグとして、人工的であることによって、性別や年齢などを超越できると捉えるラテックス製のボディスーツを自作し、パフォーマンスとインスタレーションを国内外で展開する。カラフルで、デフォルメされた雌豚や牝牛などの家畜や害虫などが繰り広げるパフォーマンスは一見明るく楽し気だが、人間の残酷性や消費の問題のみならず、人間社会における介護やケアの問題にも接続し、強者/ 弱者、支える側 / 支えられる側という二項対立ではおさまらない、多様性の受容、共生の問題に発展させている。


近年の主な展覧会や公演に、「ミドルズブラ・アート・ウィーク」(イギリス、2023)、「世界演劇祭 2023」(フランクフルト、オッフェンバッハ、ドイツ)、「Ultra Unreal」(シドニー現代美術館、2022)、「Reborn-Art Festival 2021-22」(牡鹿半島(桃浦)、宮城、2021)、個展「LIVESTOCK」(PARCO MUSEUM TOKYO、東京、2021)など。

展覧会へよせて

回の展覧会では、昨年の海外滞在リサーチでの経験や近作《House of L》や《Super Farm》を下敷きにした新作を発表します。「弱さ」と「力」がそもそも何なのかという問題にフォーカスを当てようと考えました。ライフサイズの玩具のような空間の中で、肉体と化学製品、動物と人間の境界線を越えた体験をすることにより、普段、皆の心の中にあるものが形になってみえることもあります。そこで「ペット」に象徴されるような、何の有用性もないのに、そして普通の進化論的過程における「競争原理」に従うならば生き残るはずもない中途半端な存在にも関わらず、なんだかんだ人間の感情やファンタジーを投射されることで生きる(ある意味「愛」の力だけで生きているような)モノが作品の新しい主役になりました。微力ながら、その不思議なパワーをどこまでも拡張して引き出すことに挑戦していきたいと思います。

津田道子| TSUDA Michiko

1980年神奈川県生まれ、石川県在住。映像メディアの特性にもとづき、インスタレーションやパフォーマンスなど多様な形態で制作を行う。映像装置とシンプルな構造物を配置し、虚実入り混じる作品空間が、鑑賞者の視線や動作を操作し、知覚や身体感覚についての考察へと導く。また、2016年よりパフォーマンス・ユニット「乳歯」として、小津安二郎の映画作品における登場人物の動きを詳細に分析し、そこに内在する人との距離や、女性の役割に関する問題を可視化するパフォーマンスなどを展開する。


近年の主な展覧会や公演に、個展「津田道子 so far, not far」(金沢アートグミ、2023)、「とある美術館の夏休み」(千葉市美術館、2022)、「第10回アジア・パシフィック・トリエンナーレ」(クイーンズランド州立近代美術館、ブリスベン、オーストラリア、2021)、個展「トリローグ」(TARO NASU、東京、2020)、「『インター + プレイ』展 第 1 期」(十和田市現代美術館、青森、2020)、また、乳歯として「OPEN SITE 2019-2020」(TOKAS 本郷、2020)など。

展覧会へよせて

コロナ禍に身体への関心が大きく変化したのは、私だけではないと思います。例えば家族のような最小単位の社会においても、他者との距離を意識することが身体の振る舞いに関わっていることを経験しました。カメラの位置やフレームと映る人の関係が、身体が持っている距離感を測る道具になると考えてます。
この展覧会は、ポスターが剥がれてるのを見つけた時に、そっと貼り直すような、しなくてもいいことだけど、気づいたことに働きかけた延長にあります。

タイトル サエボーグ「I WAS MADE FOR LOVING YOU」/津田道子「Life is Delaying 人生はちょっと遅れてくる」
Tokyo Contemporary Art Award 2022-2024 受賞記念展
会期 2024年3月30日(土)~ 7月7日(日)
会場 東京都現代美術館 企画展示室3F
住所 135-0022 東京都江東区三好4-1-1(木場公園内)
Webサイト(美術館) https://www.mot-art-museum.jp/exhibitions/TCAA_2022_2024/
Webサイト(TCAA) https://www.tokyocontemporaryartaward.jp/exhibition/exhibition_2022_2024.html
開館時間 10:00 〜 18:00
休館日 月曜日(4月29日、5月6日は開館)、4月30日(火)、5月7日(火)
料金 無料
主催 東京都、公益財団法人東京都歴史文化財団 トーキョーアーツアンドスペース・東京都現代美術館