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王玉平 at 東京画廊+BTAP|東京

東京画廊+BTAPでは、中国人アーティスト王玉平の個展が2024年5月25日(土)から6月29日(土)まで開催されています。日本での初個展となり、代表作である水彩の連作〈臨元人狩猟図〉、近年の油彩作品、自画像などが紹介されています。正面に配された人物画は、一見すると多くの日本人が抱いている中国らしいイメージのように受け取れますが、実際の作品の前に立つと、奥底からは研鑽を積んだ人物が普遍的にまとう品格が伝わってきます。あなたもお出かけしてはいかがでしょうか。

道袍に身を包む凛とした表情の道士

ギャラリーの扉を開くと、正面に白地に人物が描かれた3つの作品が目に入ります。これらは2007年の作品〈老道〉シリーズで、王が中国甘粛省の玉泉観で出会った道袍(どうほう)を身につけた道士(どうし)たちの肖像です。
道士とは、仏教や儒教とならんで中国三大宗教のひとつといわれる道教の僧で、その服装は道袍といい、漢民族の固有のものです。玉泉観は1299年に創建された道教の寺院で、天靖山の麓から中腹にかけて、約9万㎡におよぶ敷地の中に複数の建物が点在しています。

白地に個性的で大胆な色彩によって抽象画のような印象を与えるこの作品においても、巧みな筆技がそれぞれの道士の特徴を捉えており、繊細さと豊かな感情が溢れています。
今を生きる中国の人々が、伝統的な人物のモチーフながら、非常に斬新に感じられる作風から、どんな印象を受けるのかは想像つきません。しかしながら、道士たちの凛とした表情から伝わってくる、しっかり生きているという品格は普遍的なもののように感じられます。

北京と京都を拠点に制作活動を行う王玉平

王玉平は1962年に北京に生まれ、1989年に北京中央美術学院油絵学科を卒業しました。80年代以降の改革開放に伴い、中国には海外の現代美術が国内に入ってきました。中央美術学院の学生たちは西洋思想に大きな衝撃を受け、特にドイツ表現主義の潮流に影響されます。その結果、90年代から「新表現」と呼ぶ新しい芸術風潮が生まれました。王玉平はこの時代に誕生した代表的なアーティストの一人です。国内のみならず、ベニスビエンナーレ(1997年)、上海ビエンナーレ(2000年)など活躍の場を国外にも広げ、現在は北京と京都を拠点に制作活動をしています。

中国の開放と急成長を体験した一方で、王は同世代のアーティストと異なり、穏やかな精神世界に憧れました。長年写生を続けてきた彼は、特定のテーマを拒否し、北京の町の風景や生活道具、旅の思い出など日常をモチーフにします。王玉平の絵画の魅力は、生活や経験に特有の表現を与え、日常から感動を引き出すところにあります。

人物と動物たちの姿態に専念して描いた臨摸

また、王は目の前のことを模倣するのではなく、繊細な観察と想像力を駆使して絵を構築します。例えば、王が元代の〈狩猟図〉(瀋陽美術館蔵)を水彩で臨摸(りんぼ)した際にも、原画の背景はほぼ描かず、人物と動物たちの姿態に専念し、淡い色彩と輪郭を感じさせない特有の筆運びで描いています。臨摸とはいえ、独自の解釈と創作で自由とユーモアの物語を創り出しています。

白地に鮮やかな色彩で描かれた王玉平の世界を楽しみに、訪れてみてはいかがでしょうか。

タイトル 王玉平 個展
会期 2024年5月25日(土)~ 6月29日(土)
会場 東京画廊+BTAP|東京
住所 〒104-0061 東京都中央区銀座8-10-5 第四秀和ビル7階
Webサイト https://www.tokyo-gallery.com/exhibitions/5958.html
開廊時間 火~土 12:00~18:00
休廊日 日・月・祝
観覧料 無料