イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル Yves Saint Laurent, Across the Style in 国立新美術館
国立新美術館では、イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル Yves Saint Laurent, Across the Styleが、2023年9月20日(水)から12月11日(月)まで開催されています。
イヴ・サンローラン(1936~2008)は、わずか21歳で衝撃的なデビューを果たしてから、自身のブランド「イヴ・サンローラン」の初のコレクションを成功させ、美術作品や舞台芸術、そして日本にも影響を受けながら独自のスタイルを確立した20世紀後半における偉大な才能です。
本展は、サンローランの没後日本で初めて開催される大回顧展です。ファッションファンはもちろん、様々な芸術分野との協働にも取り組んだ彼の業績は、アート好きも興味ひかれる点が多いのではないでしょうか。彼から生み出される、唯一無二でありながら、豪華絢爛な美の世界を間近で堪能できる貴重な機会となるでしょう。
イヴ・サンローランはクリスチャン・ディオールの急死をうけ、1958年にディオールのデザイナーとして鮮烈なデビューを飾ります。1962年に自身のブランド「イヴ・サンローラン」を発表して以来、2002年の引退まで約半世紀にわたって世界のファッションシーンをリードし、大きな変革をもたらしました。
中でも1960年代において彼が積極的に取り入れたパンツスタイルは、まだ男性のものという認識が根強かった当時において、衣服が持つジェンダーのイメージを超越してデザインすることで、時代が求める新たな女性らしさやエレガンスを生み出しました。その後、ピーコート、パンツスーツ、トレンチコート、タキシードなど、先駆的に紳士服を女性向けに改良したことで注目されるようになります。本展では、現代では女性のワードローブとしてすでに定着している、これらサンローランの普遍的なスタイルが紹介されています。
イヴ・サンローランはモンドリアン・ルックに代表されるような美術作品とファッションの融合を提案することで、伝統的なオートクチュールモードの世界に新風を吹き込みました。その他にも演劇、バレエといった舞台芸術や映画の衣装制作など、様々な芸術分野との協働に積極的に取り組んでいます。芸術作品とオートクチュールにつながりを作ることによって、ファッションは絵画や彫刻、建築といった芸術分野と同様に価値あるものだとし、作品から受けたインスピレーションを身体が土台となる生き生きとしたファッションへと結実させていきました。
本展はイヴ・サンローラン美術館パリの全面協力を得て、イヴ・サンローランのデザイナーとしての人生とその創造の全貌に迫ります。同館は1974年から2002年までの約30年間イヴ・サンローランがコレクションをデザインしてきたパリ・マルソー大通り5番地に位置し、2017年に開館。回顧展やテーマ別の企画展を随時開催し、ピエール・ベルジェ・イヴ・サンローラン財団の豊かでユニークなコレクションを紹介しています。
同館が所蔵する1958年のディオールでの衝撃的なデビューから、引退する2002 年まで40数年余りの間に発表された作品の変遷を網羅したオートクチュールのルック110体のほか、アクセサリー、ドローイング、写真を含む262点を展示し、12章構成で余すところなく紹介しています。
【展示構成】
Chapter 0
ある才能の誕生
A Talent Emerges
幼い頃から21歳の若さでディオールのチーフデザイナーを務めるまでが紹介されています。写真やスケッチ、16才の頃制作したペーパードールなどで偉大な才能の誕生を振り返ります。
Chapter 1
1962年
初となるオートクチュールコレクション
1962: The First Haute Couture Collections
ピエール・ベルジェらと共にオートクチュールメゾン「イヴ・サンローラン」を設立した翌年、1962年の初のコレクション発表では大きな注目と賞賛を浴びたピーコートなどが紹介されています。
Chapter 2
イヴ・サンローランのスタイル
アイコニックな作品
The Yves Saint Laurent Style: Iconic Pieces
イヴ・サンローランの代名詞的存在となり、デザインの中でも特に革新的だった、紳士服からヒントを得て作られたタキシードやジャンプスーツ、サファリ・ルック、トレンチコートなどが紹介されています。
Chapter 3
芸術性
刺繍とフェザー
Artistry: Embroidery and Feathers
織工、染色、捺染、刺繍、金細工、銀細工など、イヴ・サンローランの作品を支えた多くの熟練した職人たちの、精緻なデザインを実現可能にする技術に注目です。
Chapter 4
想像上の旅
Imaginary Travels
イヴ・サンローランの読書や美術作品の収集によって想像を巡らせる「机上の」旅を通じて生まれ、やがて彼の作品にとって不可欠な要素となった、鮮やかな色彩や独特な形によって表された「異国情緒」を楽しみましょう。
Chapter 5
服飾の歴史
Fashion History
イブ・サンローランが古代ギリシア・ローマ彫刻がまとっているようなドレスや、中世の装いを思わせるガウンなど、過去の服飾の歴史に敬意を払いながらも、自由な創造性を発揮していることがわかる展示です。
Chapter 6
好奇心のキャビネット
ジュエリー
Cabinet of Curiosities:Jewels
イヴ・サンローランの表現にとって非常に重要だったアクセサリーは、天然の素材だけでなく、木材、金属、ラインストーン、ビーズなどのイミテーションも多用され、無限の組み合わせで想像力と表現の幅を広げていきました。本章では、そんなアクセサリーが展示されています。
Chapter 7
舞台芸術
─グラフィックアート
Performing Arts – Graphic Arts
演劇、バレエ、ミュージックホール、映画などの衣装を数多く制作したイヴ・サンローランが残したスケッチから、色彩や素材を駆使した絵画的手法と、綿密で生き生きとしたコントラストの強い線から伝わる描画の才能を観ていきます。
Chapter 8
舞台芸術
─テキスタイル
Performing Arts – Textiles
イヴ・サンローランが少年時代から夢中だった演劇や舞台で手掛けた衣装として、カトリーヌ・ドヌーヴ主演の映画『昼顔』やジャン・コクトーの演劇『双頭の鷲』、ローラン・プティが芸術監督を務めたミュージックホールなどが紹介されています。
Chapter 9
アーティストへの
オマージュ
Homage to Artists
ピカソ、マティス、ブラック、ファン・ゴッホ、ボナールといった過去の画家への強い尊敬と親愛の念は、作品の中でも表現されました。伝統的なオートクチュールの世界に新風を吹き込んだ作品の数々が紹介されています。
Chapter 10
花嫁たち
The Brides
オートクチュールのファッションショーには、フィナーレを飾るウエディングドレスが欠かせません。イヴ・サンローランは、19世紀の終わりから続く伝統的なガウンの形式と、新しい女性像として斬新なデザインの両方を展開しました。
Chapter 11
イヴ・サンローランと日本
Yves Saint Laurent and Japan
1963年の来日をきっかけに、イヴ・サンローランは日本の文化や伝統工芸品に魅せられ、その後の創造にも多くの示唆を与えました。一方、彼が発信するスタイルは、日本のファッションやデザインの世界にも様々な影響を及ぼすものでもありました。本章では、イヴ・サンローランと日本の関係が、資料を通して紐解かれます。
タイトル | イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル Yves Saint Laurent, Across the Style |
会期 | ~ |
会場 | 国立新美術館 企画展示室1E |
住所 | 〒106-8558東京都港区六本木7-22-2 |
Webサイト | https://ysl2023.jp |
開館時間 | 10:00~18:00 ※毎週金・土曜日は20:00まで ※入場は閉館の30分前まで |
休館日 | 毎週火曜日休館 |
チケット情報 | 本展は事前予約不要です。 チケットの詳しい情報は、展覧会ホームページのチケット情報をご覧ください。 |
観覧料 | 【一般】2,300円 【大学生】1,500円 【高校生】900円 ※中学生以下は入場無料。 |
備考 | ※障害者手帳をご持参の方(付添の方1名含む)は入場無料。 ※学校等の教育活動でのご来館についてはこちらをご覧ください。 ※会期中に同館で開催中の他の企画展および公募展のチケット、またはサントリー美術館および森美術館(あとろ割対象)で開催中の展覧会チケット(半券可)を国立新美術館チケット売場で提示された方は、本展覧会チケットを100円割引でご購入いただけます。 ※国立美術館キャンパスメンバーズ加盟の大学等の学生・教職員は本展覧会を学生1,300円、教職員2,100円でご覧いただけます。国立新美術館チケット売場でお求めください。 その他の割引などお得な情報はこちらをご覧ください。 ※会場での観覧券購入に次のクレジットカードと電子マネー等がご利用いただけます。 クレジットカード:UC、MasterCard、VISA、JCB、AMEX、Diners Club、DISCOVER 電子マネー:Suica(スイカ)、PASMO(パスモ)、ICOCA(イコカ)等、iD その他:J-Debit、銀聯 |
お問い合わせ | 050-5541-8600(ハローダイヤル) |