生誕120年 安井仲治 僕の大切な写真 at 東京ステーションギャラリー

東京ステーションギャラリーでは、「生誕120年 安井仲治 僕の大切な写真」が2024年2月23日(金・祝)から4月14日(日)まで開催されています。安井仲治（1903～1942）は日本の写真史において傑出した存在として知られ、38歳で病没するまでの約20年という短い写歴のあいだに、驚くほど多彩な仕事を発表しました。本展は生誕120年を記念する20年ぶりとなる回顧展となり、200点以上の出展作品を通じて安井仲治の全貌を展覧できる貴重な機会となります。現代を生きる私たちにとっても、改めて、写真とはこんなにも自由なんだ！と感じさせてくれる安井の多彩なバリエーションとインサイトが光る代表作を楽しんではいかがでしょうか。

日本の近代写真の金字塔「安井仲治」

大正・昭和戦前期の日本の写真は、アマチュア写真家たちの旺盛な探求によって豊かな芸術表現として成熟していきました。この時期を牽引した写真家の代表格が安井仲治です。安井は38歳で病没するまでの約20年という短い写歴のあいだに、驚くほど多彩な仕事を発表しました。その作品は同時代の写真家をはじめ、土門拳や森山大道など後世に活躍した写真家たちからも掛け値なしの称賛を得ています。本展は、日本写真史において傑出した存在として知られる安井仲治の20年ぶりとなる回顧展です。

安井仲治が“すごい”2つの理由

安井仲治は大阪に生まれ、18歳で関西の名門・浪華写真俱楽部に入会しました。そして写真家としてまたたく間に頭角を現わし、日本全国にその名が知られる存在になりました。安井の優れた点のひとつに、欧米の先進的な写真表現や理論をいちはやく自分のものにし、その着想やスタイルを取り入れながら、新しい表現を次々に生み出していった点にあります。加えて、安井独自の被写体を見出す感性は傑出しており、誰にも追随できない点も大きな魅力であり、優れていました。
このような安井の卓越したセンスは、日本全国のアマチュア写真家たちから高い評価を受けました。さらに戦前日本写真界の最前線をひた走った安井の表現は、のちに森山大道や福島辰夫などの名だたる写真家や評論家・写真史家を瞠目させます。こうして安井仲治の名は日本写真史に刻まれることになったのです。

写真はこんなにも自由なんだ！安井の代表作が集結

安井はさまざまな被写体にカメラを向け、多岐にわたる技術や表現様式に果敢に取り組みました。なんでもない景色のなかに「世界の秘密」を発見した驚きと興奮。そして小さく、醜く、一顧だにされないものにさえ注がれる慈しみのまなざし。安井が「見たもの」に思いを馳せ「見せたもの」に浸るとき、私たちの内にはさまざまな思考と感情が去来します。
安井の写真には100年の時を超えてなお私たちを惹きつける魅力があります。本展では200点以上の出展作品を通じて安井仲治の全貌を回顧していきます。戦災を免れたヴィンテージプリント約140点、ネガやコンタクトプリントの調査に基づいて制作されたモダンプリント約60点のほか、さまざまな資料が展示され、安井の活動を実証的に跡付け、写真の可能性を切りひらいた偉大な作家の仕事が現代によみがえります。

【見どころ】

〈メーデー〉

大阪中之島のメーデーを撮った連作。大胆なトリミングやコラージュを駆使して躍動する現場の諸相を伝えています。

〈流氓ユダヤ〉

第二次世界大戦中、ヨーロッパから迫害を逃れて神戸にやってきたユダヤ人たちを撮った連作。ルポルタージュを超えて、ドラマティックな陰影と構図が見る人に深い印象を残しています。

〈半静物〉

撮影現場にあるものを自由に構成する手法を、安井は「半静物」と呼んだ。見知った風景が、ときに驚くような光景に変わります。隠された“世界の秘密”に触れるような瞬間を安井は楽しみました。

〈山根曲馬団〉

サーカスの人々を撮影したユーモアと哀愁が入り混じる連作。エンターテイナーたちの内にあるさまざまなストーリーを描き出しています。

タイトル	生誕120年 安井仲治 僕の大切な写真
会期	2024年2月23日(金・祝) ～ 4月14日(日)
会場	東京ステーションギャラリー
住所	〒100-0005 東京都千代田区丸の内1-9-1
Webサイト	https://www.ejrcf.or.jp/gallery
開館時間	10:00 ～ 18:00 ※金曜日は20:00まで開館 ※入館は閉館30分前まで
休館日	月曜日［4/8は開館］
チケット情報	オンラインチケット購入はこちら 当日券＝東京ステーションギャラリー1階入口
観覧料	【一般】　1,300円 【高校・大学生】　1,100円 【中学生以下】　無料
備考	＊障がい者手帳等持参の方は入館料から100円引き（介添者1名は無料） ＊学生の方はご入館の際、生徒手帳・学生証をご提示ください