MOT コレクション 歩く、赴く、移動する 1923→2020 / Eye to Eye—見ること at 東京都現代美術館
東京都現代美術館では、「MOT コレクション 歩く、赴く、移動する 1923→2020 / Eye to Eye—見ること」が2023年4月6日(土)から7月7日(日)まで開催されています。「MOT コレクション」展では、同館が所蔵する戦後美術を中心に近代から現代にいたる約5800点の作品を、会期ごとに様々な切り口で紹介されています。今回は1階では「歩く、赴く、移動する 1923→2020」、3階では「Eye to Eye—見ること」というそれぞれのテーマで作品を楽しめます。
本展は、約5800点の収蔵作品の中から1923年から現在に近い時期に制作された作品が展示されています。約100年の間に生み出された作品を巡りながら、時間の経過やその背景を感じとるとともに、絵画、立体、写真、映像、インスタレーションなど多彩な現代美術の表現に触れることができます。
1階:関東大震災からコロナ禍まで、世界や社会へ目を向ける
私たちは時代や、日々のあわただしい時間の流れの中で、何か大切なことを見落としてないでしょうか。こちらは、さまざまな時代や国に跨る作家たちに歩みを重ねることで、私たちが生きる世界や社会への視座を高める機会となるよう6つのセクションで構成されています。
最初の「1. 東京を歩く」では、ちょうど100年前、1923年の関東大震災直後に上京した鹿子木孟郎が被災地を歩き描いたスケッチから始まります。続く「2. 現場に赴く」では、尾藤豊、池田龍雄、中村宏などのルポルター ジュ絵画と呼ばれる、戦後日本において政治的/社会的な事象の現場に赴き、それを取材して描いた作品が紹介されています。
「3. 清澄白河を歩く」では、深川、木場、清澄白河などの美術館が建つ地域周辺を歩いた中野淳やワタリドリ計画(麻生知子と武内明子)などに光があてられています。次の「4. 世界を歩き、移動する」では一転、1960-70年代および現代において、作家たちが世界を旅する中で制作された作品を中心に紹介されており、久保田成子、栗田宏一、アンソニー・ カロ、安齊重男などの作品を観ることができます。
「5. 移動としての作品」では、作家の手や体を介さず、移動=輸送そのものが記録されたオラファー・エリクソンの作品が紹介されています。最後の「6.想像/創造の歩みと飛翔」では、第二次世界大戦中にヨーロッパで抑留生活を送った末松正樹と、現代に生きる本を素材とする福田尚代の作品が取り上げられ、作家たちの想像/創造の歩みに光があてられています。
3階:様々な視線の在り方に焦点をあてる
3階の「Eye to Eye—見ること」は、さまざまな視線の在り方に焦点をあてられた多様な作品が4つのセクションで紹介されています。
最初の「Eye to Eye: 描かれた視線」では、壁面からこちらを見つめる複数の視線を感じます。その視線はまっすぐにこちらを見るものや、上目づかいのもの、視線が観る者と交わらないものなど、アレックス・カッツや中村宏、奈良美智、中園孔二などの作品が紹介されています。
次の「リフレクション: 巻き込まれる視線」では、1960年代に新たな素材や技術によって、独自の表現を試みた3人の女性彫刻家・多田美波、宮脇愛子、モニール・ファーマンファーマイアン に焦点があてられています。
「松江泰治のカメラ・アイ」では、隅々まで精緻にピントの合った大判の風景写真26点がずらりと並び、時に距離感を変えながらも、対象となるすべての要素が等価に扱われています。
最後の「不可視なものへの視線」では、マヤ・ワタナベの、いまだ被害の実体が明らかになっていない1980年-2000年の自国ペルーで起こった政治的混乱に焦点をあてた映像インスタレーション作品が紹介されています。
3階における最後の、宮島達男の作品《それは変化し続ける それはあらゆるものと関係を結ぶ それは永遠に続く》の部屋を出ると、「リフレクション: 巻き込まれる視線」で触れられた多田美波の作品に出会います。訪れた時間や季節によって印象が変わると思いますので、何度でも楽しむことができるのではないでしょうか。
タイトル | MOTコレクション 歩く、赴く、移動する 1923→2020 Eye to Eye—見ること |
会期 | 2024年4月6日(土)~ 7月7日(日) |
会場 | 東京都現代美術館 コレクション展示室 |
住所 | 135-0022 東京都江東区三好4-1-1(木場公園内) |
Webサイト | https://www.mot-art-museum.jp/exhibitions/mot-collection-240406/ |
開館時間 | 10:00 ~ 18:00(展示室入場は閉館の30分前まで) |
休館日 | 月曜日(4月29日、5月6日は開館)、4月30日、5月7日 |
観覧料 | 【一 般】500円(400円) 【大学生・専門学校生】400円(320円) 【高校生・65歳以上】250円(200円) 【中学生以下】無料 ( ) 内は20名様以上の団体料金 |
備考 | ※ 企画展「ホー・ツーニェン エージェントのA」、「翻訳できない わたしの言葉」のチケットでMOTコレクションもご覧いただけます。 ※ 小学生以下のお客様は保護者の同伴が必要です。 ※ 身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳をお持ちの方と、その付添いの方(2名まで)は無料です。 ※ 毎月第3水曜(シルバーデー)は、65歳以上の方は無料です。(チケットカウンターで年齢を証明できるものを提示) ※家族ふれあいの日(毎月第3土曜と翌日曜)は、18歳未満の子を同伴する保護者(都内在住を証明できるものを提示/2名まで)の観覧料が半額になります。 ※[学生無料デー Supported by Bloomberg] 5月11日(土)・12日(日)の2日間、中高生・専門学校生・大学生は本展が無料です。(チケットカウンターで学生証を提示) |