郭 旭達(シダ・クオー)個展 in SOKYO ATSUMI
SOKYO ATSUMIでは郭 旭達(シダ・クオー)の個展が2023年7月8日(土)から9月7日(木)まで開催されています。セラミックや木を素材とした郭の作品は、太古より私たちの細胞に刻み込まれている本質的な「かたち」を追い求めているといいます。どの作品も表情豊かで、素朴で温かみを感じさせる味わいがあり、大らかな作家の人柄まで伝わってくるようです。東洋でもなく、西洋でもない、彼独自の作品の世界観を楽しみに訪れてはいかがでしょうか。
ギャラリーを訪れると、立体作品を中心に平面作品も含めた24点の作品が穏やかに佇んでいます。作品に出迎えられる、あるいは出会うと言いたくなるほど、どの作品もフォルムや質感が表情豊かで親しみやすく、ひとつひとつに人間味さえ感じられます。
郭の作品の根底にあるのは「異なる起源や背景を持つ人々が、なぜ同じように特定の形や素材に反応するのだろうか」という問いかけです。それは、郭が台湾に生まれ、ニューヨークという多様な価値観が存在する都市で長年生活をしてきたことに関係しているといいます。
線、形、空間の関係性に関心を寄せる郭の作品は有機的かつ幾何学的なフォルムで知られており、それらは原始美術や古代の道具、先祖の生活様式などから着想を得ているといいます。郭のまなざしは時空を超えて人類全体へと向けられ、土や木といった人類が原始より利用し続けてきた素材の意味を、制作という身体的な行為を通じて再考しています。
郭は、「それぞれの作品にはそれぞれの生があり、必ずしもシリーズのように互いに関連しているわけではない」と述べています。本展に出品された作品はフォルムの違いもさることながら、釉薬を施したもの、表面をスプーンで磨いたもの、木の素材が組み合わさったものなど、その質感も多様で、郭の言葉を裏付けているようです。
また近年は作品と一体化した木の台座を作ることに興味を持っているそうで、セラミックや木といった、もの同士のゆるやかな連帯こそが、郭の思い描く美術のあり方を指し示しているといわれます。
ギャラリーの展示スペースで、郭の作品を特徴付けているなめらかなフォルムは、お互いの作品と呼応しながら建築的な空間を構築しています。と同時に作品単体で観た場合でも、和室・洋室を問わず、あるいは庭先などの屋外に置かれたとしても、周囲の環境や要素と何かしらの関係性を結び、存在し続ける姿が容易に想像できます。
郭旭達の個展は艸居(京都市)での2度の開催(2014年、2017年)に引き続き、SOKYO ATSUMI(東京都・天王洲)では初めての個展となります。
また、作品のフォルムはともかく、それぞれの微妙な質感の違いは、なかなか写真からは充分に伝わりません。ぜひギャラリーを訪れて、作品に直接、出会ってみてはいかがでしょうか。
【作家プロフィール】
郭 旭達 シダ・クオー
1959 年台湾生まれ。1989 年よりニューヨーク在住。ニューヨーク大学准教授。国際陶芸アカデミー会員(IAC)。1982 年国立台湾師範大学(台北)卒業。1992 年ニューヨーク大学大学院(ニューヨーク、米国)卒業。主な個展に誠品畫廊(台北)、ナンシー・マーゴリス・ギャラリー(ニューヨーク、米国)、艸居(京都、日本)などがある。コレクションには京都市京セラ美術館(旧 京都市美術館、日本)、鶯歌陶瓷博物館(台湾)、ラシーン美術館(米国)、遠東そごう天母店 屋外彫刻企画(台湾)、サンアンジェロ美術館(米国)、Centro Cultural Paraxo(イタリア)、エドワード・ブロイダ・コレクション(米国)、国立台湾美術館(台湾)、ヤゲオ財団(台湾)、広西チワン族自治区財宝陶器美術館(中国)、宜興陶器美術館(中国)、リバーアートセンター(台湾)、中華人民共和国国立美術館(中国)、国立台湾師範大学(台湾)がある。
タイトル | 郭 旭達(シダ・クオー) 個展 |
会期 | 2023年7月8日(土)~ 9月7日(木) |
会場 | SOKYO ATSUMI |
住所 | 〒140-0002 東京都品川区東品川1-32-8 TERRADA ART COMPLEX II3階 #304 |
Webサイト | http://gallery-sokyo.jp/exhibitions/exhibitions-7534/ |
開廊時間 | 11:00 ~ 18:00(火 ~ 木)、11:00 ~ 19:00(金・土) |
休廊日 | 日曜日・月曜日 、夏季休業:8月13日(日)〜 8月21日(月) |
観覧料 | 無料 |