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「オドル ココロ」 資生堂のクリエイティブワーク at 資生堂ギャラリー

資生堂ギャラリーでは、資生堂のクリエイティブワークを紹介する展覧会「オドル ココロ」が2024年6月8日(土)から8月4日(日)まで開催されています。昨年の夏も1回目として70年代の雑誌広告にスポットライトをあてた企画が開催されましたが、今年は明治初期から現代までのパッケージデザインと広告デザインに注目し、200点以上に及ぶ商品や広告約70点を集め、圧倒的なスケールで紹介されています。展覧会タイトルで示されている通り、私たちはこれらのデザインを目の前にした時、どうしてココロがオドルのでしょうか?そんなことも考えながら観ていくと、これらのアートワークの本質が見えてくるかも知れません。ココロを躍らせに、あなたも訪れててはいかがでしょうか。

資生堂ギャラリー「オドル ココロ」

ライフスタイルの中での商品が見えてくる

メインのスペースには、明治初期から現代まで年代を8つに区切り、その時代に生まれた商品が配置されています。展示台の造形は、気鋭の建築コレクティブ GROUP がデザインしたもので、街のスカイラインやインテリア(家具)に見えたりして、人の気配も感じさせます。
特に革新的だった商品には概要や特長、デザインのコンセプトがあわせて紹介されています。また壁面には時代の風俗を中心にまとめた年表があり、商品が生まれた背景や時代の空気感を思い出したり、想像できるようになっています。

資生堂ギャラリー「オドル ココロ」
奥の小スペースでは、国内外で注目を集める新進クリエイター・長谷川大祐が本展のために制作した映像が映し出されています。ポスターを中心とした広告などのビジュアル約70点が、まるでメインのスペースと連動するように展開されています。

資生堂ギャラリー「オドル ココロ」

「ココロがオドル」資生堂のクリエイティブがここに

昨年に続いて、資生堂のクリエイティブワークが紹介される展覧会「オドル ココロ」は、アフターコロナといわれて約1年が経過した、この時代感覚に呼応して構成されています。
まだまだ先行き不透明な状況が続いてはいますが、現在を生きる人々のあいだでは、世代やジェンダーを超えて自分が好きなものを自由に取り入れ、自らの気分を上げて楽しむという軽やかな感覚が広まっているのを感じます。
本展はこうした時代感覚に呼応し、「ココロがオドル」クリエイティブが資生堂のアーカイブからセレクトされており、明るさ、軽やかさ、ビビッドさ、ユーモア、遊び心、親しみやすさに加えて、未来的(Futuristic)なイメージの商品や広告が集められています。

資生堂ギャラリー「オドル ココロ」
観る私たちも、注意深く観察していると、いろいろ発見がありそうです。例えば、使用後はカセットテープが2本入る“遊び心”や、サンケア関連商品は1965年、1969年、1970年、そして2013年の商品が同系のイエローでつながっていること、などなど。

資生堂ギャラリー「オドル ココロ」

クリエイターたちの情熱とチャレンジ

一般的に、自分表現が先行するアートとは違い、商品パッケージのデザインは様々な条件や制約がつきまといます。大きくは商品自体の形状やネーミング、ブランドカラーなどの他に、予算や店頭でディスプレイした時の姿など、いろいろあるでしょう。そうした“束縛”があったとしても、どのようにしてクリエイターたちがより良いものを生み出そうとしたのでしょうか?それを考え、見ていくと、本展をさらに楽しめるのではないでしょか。

資生堂ギャラリー「オドル ココロ」
そうした点では特に、本展でもっともココロが躍るのは「新しさ」の表現だと思います。消費者である私たちは、機能や使用価値などに何かしら「新しさ」があれば商品に興味を抱きます。その「新しさ」を私たちに、もっとも端的に伝えているのは商品パッケージであることが、壁面の年表とともに展示を観ていると理解できます。

資生堂ギャラリー「オドル ココロ」
本展では、商品の開発に携わった7名のクリエイターたちへのインタビューが、音声ガイドとして用意されています。彼ら、彼女たちの肉声を通じて、ものづくりに対する作り手たちの情熱やチャレンジ精神を感じてみてはいかがでしょうか。

生み出された“表現”に想いを馳せる楽しい時間

「アート&サイエンス」は資生堂の中に脈々と受け継がれているDNAであり、この追求が確かな研究開発に支えられた大胆なアイデアや、既成の枠を超えたクリエイティブの遊び心や柔軟性あふれるチャレンジを生み出しています。
本展では、商品が各時代のライフスタイルや美容習慣に変化をもたらしていったことが、ものづくりや価値づくりに携わる人々にとってヒントになるかも知れません。また、消費者や単なるアート好きの私たちにとっても、時代背景(年表)とともにクリエイターたちがめざしたものに想いを馳せる、楽しい時間になるでしょう。

【メインスペース・8つの時代と背景】

①明治初期~1940年代:日本の近代化・西洋の影響
②1945~1950年代:アメリカの影響の始まり
③1960年代:ユースカルチャーの台頭・レジャーブームの始まり・男性のおしゃれ
④1970年代:低成長期・女性誌の創刊相次ぐ
⑤1980年代:ファッションの影響・女性の社会進出
⑥1990年代:バブル崩壊・トレンド発信者の低年齢化
⑦2000年代:多様性、個性の尊重
⑧2010年代:SNS、SDGsの時代

タイトル 「オドル ココロ」 資生堂のクリエイティブワーク
会期 2024年6月8日(土)~ 8月4日(日)
会場 資生堂ギャラリー
住所 〒104-0061 東京都中央区銀座8-8-3 東京銀座資生堂ビル地下1階
Webサイト https://gallery.shiseido.com/jp/exhibition/6707/
営業時間 平日 11:00~19:00
日曜・祝祭日 11:00~18:00
休館日 毎週月曜日 ※月曜日が祝祭日にあたる場合も休館いたします。
観覧料 無料