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企画展「はじめての古美術鑑賞 人をえがく」 @ 根津美術館

根津美術館では古美術の様々なジャンルとその見どころを分かりやすく解説する企画展「はじめての古美術鑑賞 人をえがく」が開催されています。鎌倉時代から明治・大正・昭和まで、それぞれの時代を生きた作家が人を通じて何を見て、何を感じてきたかを一望できる魅力的な展覧会です。高貴で理想化されたものから人間味あふれるものや世俗を表現したものまで、多彩な人物画を楽しんではいかがでしょうか。

今回で5回目となる「はじめての古美術鑑賞」シリーズ。今年は、絵画の主要なテーマのひとつである人物がとりあげられています。

実は、古代日本では人物画は忌むべきものとされていたようです。しかし、信仰対象となった人びとだけは例外的に描かれました。そして中世以降、人物画は一般的なものとなりますが、この企画展では7つのチャプターで時代の流れに沿って分かりやすく紹介されています。

最初は「聖なる人びと」で祖師像や祭神、歌仙などが紹介されています。中でも重要文化財である「法相曼荼羅(ほっそうまんだら)」 では上部に釈迦如来が表され、奈良・興福寺と薬師寺を本山とする法相宗の教主である弥勒とともに、法相の祖師たち11人を描かれています。

 

「高貴な人びと」は人物画を忌み避ける意識が薄まりはじめてきた頃のものです。「伝藤原光能像(ふじわらみつよしぞう)模本」は、神護寺に伝わる日本肖像画史上の最高傑作とされる肖像画三幅のうち、「伝藤原光能」を冷泉為恭(れいぜいためたか)が模本としたものです。高貴な顔立ちで静かな表情ながらも眼光は鋭くもあり、人物の個性がよく表現されています。

続く「異国の人びと」では中国絵画の影響を受けたものが紹介されています。禅宗祖師の肖像画を集めた「頂相」では、それまでの“引目鉤鼻”から一転して、像主の人間味あふれる表情に思わず引き込まれます。また重要美術品「飼馬図(しばず)」は馬を世話する繊細な線と淡彩で描かれた男性もさることながら、馬の動きも活き活きとしています。

そして江戸時代になり庶民の日常生活を描く風俗画へと発展していく「市井の人びと」では重要美術品「風俗図(ふうぞくず)」が紹介されています。金泥と濃彩を用いた衣装や、金切箔や砂子を多用した背景装飾は桃山時代の遺風を継いでいるものの、画面構成は人物のみをとりあげる新しさが見られます。

最後の「近代の日本画」で見られる、臨済宗の開祖・臨済義玄が問答の際に一喝する場面を描いた「臨済一喝(りんざいいっかつ)」では、狩野派の筆法を基本としながらも、西洋画から学んだ繊細な陰影による立体表現が見られます。画面構成もそれまでの時代に比較してより大胆になっています。

鑑賞の後に外に目をやると、お庭のイロハモミジの葉が少し色づいていることに気がつきました。これから深まる秋の気配を感じながらお庭を散策するのも楽しいと思います。

タイトル 企画展「はじめての古美術鑑賞 人をえがく」
会期 2021年9月11日(土)~10月17日(日)
会場 根津美術館
住所 〒107-0062 東京都港区南青山6-5-1
Webサイト http://www.nezu-muse.or.jp
開館時間 午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日 毎週月曜日 ただし、10月11日(月)は開館
料金 オンライン日時指定予約
一般1300円
学生1000円
*障害者手帳提示者および同伴者は200円引き、中学生以下は無料
チケット情報 日時指定予約は、こちらから→http://www.nezu-muse.or.jp/jp/timed-entry-reservation/