どうぶつ百景 江戸東京博物館コレクションより at 東京ステーションギャラリー
東京ステーションギャラリーでは、「どうぶつ百景 江戸東京博物館コレクションより」展が2024年4月27日(土)から6月23日(日)まで開催されています。江戸幕府創設からおよそ420年が経ちますが、大都市江戸・東京で暮らした人々は、どのように動物とかかわってきたのでしょうか。江戸東京博物館の61万点にも及ぶ膨大な収蔵品のなかから、人と動物との関係を物語る美術品や工芸品など約240件がここで紹介されています。
昔、人と動物の関係はどうだったのでしょうか
ペットは動物と言えど大切な家族、とよく言われます。コロナ禍をきっかけにペットを飼う方も一時期増えたようですが、現代でも人の心をいやす大切な存在であることは間違いないでしょう。また、人のために働く動物もいて、今と比べて昔はかなり身近な存在でした。昔の人にとって、動物はどんな存在だったのでしょうか。
人々は沢山の動物と暮らしていた
1603(慶長8)年に、江戸に幕府が開かれ、街並みが整備されます。街では人々がネコや犬を可愛がり、時にゾウの見世物が話題となり、ウズラの声を競う会が催され、ウサギの飼育ブームも起きたそうです。また、人々は郊外に出かけて野生の鳥の姿や虫の音に季節を感じたものでした。
洗練されたデザインと素朴なかたち
壮大な狩猟の記録画、広重や国芳ら人気浮世絵師による錦絵など、多くの絵に動物たちは登場しています。さらに、動物たちのイメージはデザインモチーフへと昇華し、温かみのある郷土玩具や、精巧な工芸品にも用いられるようになりました。巨大都市における動物は、共生するだけでなく、さまざまに表現されて人々の生活を彩りました。
ネコさん、トリさん、お馬さん……さんづけこそ日本の特質かも
1877(明治10)年に来日した米国の動物学者、エドワード・S.モースは、日本人が動物に対して親切に接することに驚きました。動物の名に「さん」づけをして親しみを込めて呼び、人力車の車夫は道に居座る犬やネコを避けて走っていると記しています。
東京会場だけの特別展示:東京の鉄道馬車
1882(明治15)年から1903(明治36)年まで、東京の大通りではレールの上を馬車が走っていました。「東京馬車鉄道」は、最盛期には300両の車両と2000頭の馬を擁していたといい、都市の交通を鉄道馬車も支えていたことがうかがえます。鉄道馬車の開業を知らせる華やかな錦絵3枚続、名所絵、玩具絵など、当時の版画が展示されています。
本展は、現在大規模改修工事のために休館中の江戸東京博物館のコレクション61万点の中から、美術品や工芸品など選りすぐった約240件が紹介されています。また本展は、2022年にパリ日本文化会館(フランス)で好評を博した「いきもの:江戸東京 動物たちとの暮らし」展を拡充した凱旋帰国展でもあります。画巻、錦絵、装飾品、郷土玩具などに登場する動物たちの多様な姿を楽しんでいきましょう。
【展示構成】
プロローグ:外国人が見た日本人とどうぶつ
第一章:江戸のどうぶつ ~「江戸図屛風」の動物を探してみよう
第二章:飼育されたどうぶつ ~ 働くどうぶつ、家庭に飼われたどうぶつ
第三章:野生のどうぶつ ~ 野生どうぶつの記録、四季の楽しみ
第四章:見られるどうぶつ – 見世物から動物園へ
第五章:デザインのなかのどうぶつ ~ きもの・装身具・身の回りの品々、人形・おもちゃ
番外編:東京の鉄道馬車
タイトル | どうぶつ百景 江戸東京博物館コレクションより |
会期 | 2024年4月27日(土)~ 6月23日(日) 前期:4月27日~5月26日 後期:5月28日~6月23日 *前・後期で作品の展示替えがあります。詳細はこちらをご覧ください(pdf)。 |
会場 | 東京ステーションギャラリー |
住所 | 〒100-0005 東京都千代田区丸の内1-9-1 |
Webサイト | https://www.ejrcf.or.jp/gallery |
開館時間 | 10:00 ~ 18:00 ※金曜日は20:00まで開館 ※入館は閉館30分前まで |
休館日 | 月曜日(ただし5月6日、6月17日は開館)、5月7日(火) |
チケット情報 | オンラインチケット購入はこちら 当日券=東京ステーションギャラリー1階入口 |
観覧料 | 【一般】 1,300円 【高校・大学生】 1,100円 【中学生以下】 無料 |
備考 | *障がい者手帳等持参の方は入館料から200円引き(介添者1名は無料) *学生の方はご入館の際、生徒手帳・学生証をご提示ください |