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あやしい絵展 @ 東京国立近代美術館

東京国立近代美術館は政府による緊急事態宣言の発出を受け、2021年4月25日(日)より5月11日(火)まで臨時休館されています。詳しくはこちらをご覧ください。

人は美しいだけではなく、退廃的、妖艶、グロテスク、エロティックといった表現を含めた「あやしい」魅力を持つ作品に引きつけられます。その魅力がどこから来ているのか、それぞれの作品に潜む「あやしい」秘密を解き明かしていくというユニークな企画展が東京国立近代美術館で開催されています。
幕末から昭和初期に制作された絵画、版画、雑誌や書籍の挿図など、「あやしい」魅力にあふれた名画が勢ぞろいします。これらの作品が生まれた時代背景を頭の中でイメージしながら、独特の世界観に没入していくと、今を生きる私たちとの接点が見えてくるようです。

激動の時代だからこそ生まれ、求められた強烈なエネルギー
幕末から昭和初期といえば国の政治・経済・社会が大きく変わり、富国強兵を目指して西洋から技術や、自由や平等などという思想がもたらされる一方で、ほとんどの市井の人々は着物を着て、心には古い価値観とのギャップという不安を抱えていました。こうした時代背景は、変化の激しい現代を生きる私たちの関心と共感を常にひきつけており、最近でも大正時代を舞台とした漫画「鬼滅の刃」などにより、改めて注目が集まっています。

そうした時代に生まれた作品の中には、退廃的、妖艶、グロテスク、エロティックといった言葉で形容できる多種多様な表現が見られ、本展ではこうした主題に関わる代表的な作品を観ることができます。
会場では、この絵のどこが「あやしい」のか、作品に描かれている物語や作品の成り立ちなどが分かる“絵解き”が用意されています。これを利用しながら、「あやしい絵」を案内役の“猫”について作品を楽しんでいると、いつのまにか幕末から昭和初期のあやしくも神秘的な世界観にどっぷりとはまっている自分に気がつくはずです。

あやしさの裏にうずまく、さまざまな欲求や願望
最初のセクション「愛そして苦悩~心の内をうたう」では、恋愛の喜びをそのまま謳い上げるのではなく、心の内に秘めた想いを表すように、絡みつくようにうねる草花、登場人物の意味深げな身振りや視線などが印象的な作品が紹介されています。藤島武二の「婦人と朝顔」に描かれた女性は現代的な顔立ちのようにも見え、作品を観ているとその黒い瞳に吸い込まれそうになります。

「神話への憧れ」での作品は、神話やいにしえの世界に作家自身の空想や理想が込められており、それがあやしさを醸し出す要因になっています。古事記を題材にした青木繁の「大穴牟知命」は描かれているシチュエーション自体があやしく、特に全裸で横たわる男性の右側にいる女性「蛤貝比売(ウムギヒメ)」の眼差しと仕草はエロティックです。

「異界とのはざま境で」では人魚が登場したり、「安珍と清姫」、「高野聖」などの物語や伝説などを主題に描いた作品が紹介されており、その場面は理性を失うほどあやしく妖艶な魅力の虜になっていく男性が印象的です。

次のセクションでは『表面的な「美」への抵抗』として、明治後半以降に目につくようになった「美人画」とは異なり、単なる美女ではなく、作品によってはグロテスクな生々しさをも感じさせたり、日々の生活による疲弊、社会的地位の低さに対する悲哀といった現実に目を向けたものもある一方、女性に対する理想を込めたものも観ることができます。

「一途と狂気」では説話や歌舞伎、浄瑠璃などから、同時代に生まれた小説の挿絵まで、登場人物の一途な感情が狂気に変化した時の壮絶なワンシーンが描かれた作品が紹介されており、美しくも狂おしいほどの情念が感じられます。

タイトル あやしい絵展
会期 2021年3月23日(火)~5月16日(日)
会場 東京国立近代美術館 1F企画展ギャラリー
住所 〒102-8322 東京都千代田区北の丸公園3-1
Webサイト https://ayashiie2021.jp/
開館時間 9:30-17:00(金・土曜は9:30-20:00)
*入館は閉館30分前まで
*本展会期中に限り9:30開館(ただし「MOMATコレクション」、コレクションによる小企画「幻視するレンズ 」は10:00開場)
休館日 月曜[ただし3月29日、5月3日は開館]、5月6日(木)
料金 一般 1,800円
大学生 1,200円
高校生 700円
*いずれも消費税込。
*中学生以下、障害者手帳をお持ちの方とその付添者(1名)は無料。それぞれ入館の際、学生証等の年齢のわかるもの、障害者手帳等をご提示ください。
*本展の観覧料で入館当日に限り、所蔵作品展「MOMATコレクション」(4-2F)、コレクションによる小企画「幻視するレンズ 」(2F ギャラリー4)もご覧いただけます。
チケット購入方法 https://ayashiie2021.jp/ticket/