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マティス 自由なフォルム at 国立新美術館

国立新美術館では、企画展「マティス 自由なフォルム」が2024年2月14日(水)から5月27日(月)まで開催されています。
20世紀最大の巨匠のひとりアンリ・マティス(1869~1954)は、後半生を過ごした南フランス・ニースにて、さまざまな色が塗られた紙をハサミで切り取る技法「切り紙絵」による作品を精力的に制作し、新たな芸術表現を切り拓きました。本展は、その切り紙絵の重要なコレクションを誇るフランスのニース市マティス美術館の全面協力を得て、マティスの切り紙絵に焦点を当てた日本初の展覧会です。マティスの芸術の集大成ともいえる、数々の作品と出会う貴重な機会となるでしょう。

マティスが最後に到達した表現:切り絵

日本で初めてのマティス展は、1951年3月に現在の東京国立博物館で開催されました。当時80歳を超えていたマティスは展覧会をもう行わないという意志を固めていましたが、弟子で画家・陶芸家の硲伊之助(1895~1977)の説得もあり、門外不出とされていた油絵13点を含む100作品以上で構成される展覧会が実現しています。
そこから約70年の時を経て、マティスが晩年、精力的に取り組んだ切り紙絵に焦点を当てた日本初の展覧会が開催されます。本展では、マティスが長い芸術家人生で最後に到達した記念碑的な表現に迫っています。

自由自在に生み出される色とかたち

マティスが色を塗った紙片を組み合わせる手法を最初に用いたのは、大型装飾壁画《ダンス》(1930-1933年)の制作時でした。また1947年に出版された書物『ジャズ』の挿絵としても見ることができますが、それが次第にアトリエの壁に広がっていきます。切り紙絵の制作は、色紙をハサミで切り取ることで色彩表現とデッサンを同時に行うことができ、筆とカンヴァスの代わりとなるこの手法で、自由自在に色とかたちを生み出しました。切り紙絵は、マティスが想像のままに位置を変えたり組み合わせたりする、軽快で、動的で、自由なフォルムだったのです。

初来日の大作《花と果実》をはじめ豊富な見どころ

本展ではニース市マティス美術館のメインホールで来場者を迎える、4.1×8.7メートルの大作《花と果実》が、本展のために修復を経て、初来日します。マティスの切り紙絵の作品の中でも最大級といわれるこの作品は、5枚のカンヴァスが繋がって構成されています。壁面の一面を覆う広大な画面に広がる、あたかもタペストリーのようで、鮮やかな色彩によって装飾的豊かさが見どころです。
また、マティス芸術の集大成といわれるヴァンスのロザリオ礼拝堂の内部を体感できる空間も再現されます。ニース郊外のヴァンスに建つロザリオ礼拝堂は、最晩年のマティスが切り紙絵を応用し、建築の室内装飾や司祭服をもデザインし、総合的に関わっています。

「マティス 自由なフォルム」は、ニース市マティス美術館所蔵の150点以上の作品とオブジェの特別貸出を含め、その珠玉のコレクションが紹介されています。同コレクションは世界でも最も重要なマティスの作品群のひとつとして知られており、初期の絵画群から最後のプロジェクトまで、この巨匠の創造の全ての時代を網羅しています。あなたもマティスの切り紙絵による、鮮やかな色彩の世界を訪れてみてはいかがでしょうか。

【展示構成】

本展では、5つのセクションを通して、最後の見どころまで来場者を導きます。《クレオールの踊り子》や《ブルー・ヌード IV》といった主要作品とともに、上祭服のマケットの目を見張る連作が展示されるでしょう。そして、ヴァンスのロザリオ礼拝堂のステンドグラスの光り輝く夢のような光景が、このたび初めてイメージで再現されます。

Section 1
色彩の道

最初のセクションでは、マティスの故郷であるフランス北部で描かれた作品や、フォーヴィスムの時代へ向う頃に制作された作品が紹介されています。マティスが「私の最初の絵画」と称した《本のある静物》や、光の表現を探求するスタイルに初めて取組むことになった1898年に滞在した南フランスのトゥールーズやコルシカ島での作品を観ることができます。

Section 2
アトリエ

1917年のニース滞在をきっかけに、マティスはこの街でアトリエを転々とさせて制作に励むようになります。このセクションでは、アトリエで描かれた作品、あるいはアトリエを主題とした作品を中心に紹介されています。アトリエだけでなく、頻繁に描かれるモティーフとなる花瓶、テキスタイル、家具調度など、アトリエに飾られた多様な文化的起源を持つ膨大なオブジェにも注目です。

Section 3
舞台装置から大型装飾へ

本セクションでは、衣装デザイン、壁画、テキスタイルの領域におけるマティスの仕事が紹介されています。これらの仕事の幾つかには、準備習作のために切り紙絵の技法が用いられていました。バレエの舞台装置と衣装デザインや装飾壁画、元々はタペストリーの準備習作であったものなど、記念碑的な大型の絵画作品が紹介されています。

Section 4
自由なフォルム

本セクションでは、切り紙絵の技法を用いた作品が中心に紹介されています。切り紙絵を基にしたステンシルによる図版とテキストで構成される書物『ジャズ』(1947年刊行)や雑誌『ヴェルヴ』の挿絵の仕事などは、印刷物やテキスタイルなどの表現媒体にも適応しやすいものでした。また、マティスはしばしば壁面をより広い支持体とみなし、切り紙絵による図案の大きな構想を壁面に施しました。

 

Section 5
ヴァンスのロザリオ礼拝堂

1948年から1951年にかけての4年間、マティスはヴァンスにあるドミニコ会の修道女のためのロザリオ礼拝堂の建設に専心します。本セクションでは、この礼拝堂にまつわる作品や資料が紹介されています。
マティスはこの礼拝堂の室内装飾から、《祭壇のキリスト磔刑像》などの典礼用の調度品、そして典礼のさまざまな時期に対応する祭服に至るまで、デザインのほとんどを指揮し、総合芸術作品として練り上げました。

タイトル マティス 自由なフォルム
会期 2024年2月14日(水)~ 5月27日(月)
会場 国立新美術館 企画展示室2E
住所 〒106-8558東京都港区六本木7-22-2
Webサイト https://matisse2024.jp
開館時間 10:00 ~ 18:00
※毎週金・土曜日は20:00まで
※入場は閉館の30分前まで
休館日 毎週火曜日
※ただし4月30日(火)は開館
チケット情報 本展は事前予約不要です。チケットの詳しい情報は、展覧会ホームページのチケット情報をご覧ください。
観覧料
(税込)
【一 般】 2,200円
【大学生】 1,400円
【高校生】 1,000円
備考 ※中学生以下は入場無料
※障害者手帳をご持参の方(付添の方1名含む)は入場無料
※2024年4月3日(水)~8日(月)は高校生無料観覧日(要学生証提示)
※キャンパスメンバーズ、ぐるっとパス所持者、割引対象者の方は、割引対象物(学生証、職員証、割引引換券等)をお持ちのうえご来場いただき、国立新美術館チケット売場で該当のチケットをご購入ください。
お問合せ 050-5541-8600(ハローダイヤル)