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三沢 厚彦『アニマルズ 新作ドライポイント』展 @ ギャラリー キドプレス

ギャラリー キドプレスでは、三沢厚彦さんの『アニマルズ 新作ドライポイント』展が開催されています。立体作品でもよく知られた三沢さんが描く動物たちが、空想の世界の生き物を含め、ドライポイント独特の風合いで生き生きと描き出されています。

三沢厚彦さんは2000年より動物をモチーフとした木彫刻の作品でよく知られた方で、日本全国の美術館で数多くの展覧会を開催されてきました。今回はドライポイントという版画での表現になりますが、描かれている動物の表情は静かで、木彫刻作品と雰囲気は共通しているように見えます。
いつもよく登場するトラ、うさぎ、カモシカ、ライオン、トリなどは静かにたたずんでいるのですが、森の中で偶然出会った時の緊張感のようなものを感じたり、ペットとして一緒に暮らしているような親近感もわいたり、さまざまな感情がわいてきて非常に楽しい時間を過ごせます。


この他にキメラ、アマビエ、麒麟といった空想の世界の生き物も描かれています。眼からは不思議なチカラが出ているようにも見えますが、異形を誇示するようなポーズではなく、仏像のようにたたずんでいるようです。こちらは神秘的なイメージもあり、実際に身近にいる動物のようにも見え、それこそ空想の世界が観る人の心に広がるでしょう。


ドライポイントは金属板に線を直接彫り、描画する版画の技法のひとつです。金属板よりも硬い鋼鉄製のニードルでイメージを刻むと、削られて盛り上がった金属が線の両側に“まくれ”となって現れます。版にインクを詰めると、このまくれの裏にもインクがたまるため、これを吸い取った紙の上にはやわらかな線となって刷り上がります。
一般的には金属板にはよく銅板が使われますが、今回三沢さんが用いたのは銅板よりもかなり柔らかいピューター板(錫板)です。より自由な描線が可能になり、動物たちが生き生きとしたリズミカルな無数の線で描き出されています。


三沢さんは世間がCOVID19で騒がしい中、スタジオでひとり過ごしながら、創作したものが他者や社会とどう繋がるのかと自問したとコメントされています。その答えは、今は分かりません。
しかし、三沢さんの作品を観る私たち自身も、外出自粛や在宅ワークで曜日感覚がおかしくなるくらいに部屋にこもる生活を少なからず経験しています。そうした中で、いつもと変わらないスタンスで創作される三沢さんの作品と出会えれば、ホッと安心できるでしょう。同時に、作品を観て何を感じるかということは、自分自身が今、どこにいるかを確かめる行為にもなるような気がします。

 

タイトル 三沢 厚彦『アニマルズ 新作ドライポイント』展
会期 2020年12月5日(土)~ 2021年月31日(日)
会場 ギャラリー キドプレス
住所 東京都千代田区外神田6丁目11-14 3331 Arts Chiyoda 2F
Webサイト http://www.kidopress.com
営業時間 12:00 ~ 18:30
休廊日 月曜日、火曜日、冬季休暇2020年12月28日(月)~2021年1月8日(金)
料金 無料