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和田誠展 @ 東京オペラシティアートギャラリー

主にイラストレーターやグラフィックデザイナーとして活躍された和田誠氏(1936-2019)の大規模な回顧展が東京オペラシティアートギャラリーで開催されています。他にも映画監督、エッセイスト、アニメーション作家、作詞・作曲家、編集者など多彩な才能を発揮された和田氏の全仕事が約30のトピックスで綴られています。
その領域はあまりにも広く、まさに「知っているようで知らなかった」作品群に接し、和田氏の仕事と共に生きていた私たちそれぞれの、人生のいちシーンがよみがえってくるような時間となるでしょう。

対象によってタッチまで変えてしまう似顔絵
会場に入って、まず目に飛び込むのは壁面に展開された、様々なジャンルの著名人の似顔絵です。どれも和田氏ならではのシンプルでユーモラスな雰囲気を感じますが、よく観るとその著名人の個性や人となりを描き出すために、微妙にタッチが変えられています。

一般的に、アーティスト(芸術家)の作品は純粋な自己表現であることが多いですが、グラフィックデザイナーの場合は依頼主がいて何かしらの目標を達成する、いわゆる課題解決を提供する仕事となります。
描く人によりタッチまで変えて個性を描き出す似顔絵は、デザイナーとして課題解決に取り組む和田氏の姿勢が集約されているように思えます。また、この他の展示にも仕事の依頼内容と制作の経緯などが記されているものもあり、和田氏の的確な課題解決力がうかがえます。

イラストを見てもすぐに分かる大いなる“遊び心”と的確な課題解決力との絶妙なバランス。そこから生まれる和田氏への信頼感がいろいろな仕事へのオファーを生み、これだけの多彩な作品群を見せてくれる根源となっているように感じます。


和田氏の温かみのある人間力も垣間見える
展示空間の後半には、1977年から始まった和田氏が40年以上担当した2000号分の週刊文春の表紙が大きな壁面に展示されています。展示キャプションには、依頼されたときに編集者の方の「あえて言えば都会のメルヘンかなあ」という言葉が印象に残ったというエピソードが紹介されています。確かにほんわかとした和田氏らしい魅力にあふれていますが、ひとつひとつの表紙からは、その時の時代と、そこにあった日常の両方が見えてくるような気がします。

また最後は、和田氏と家族とのコラボレーションが紹介されているコーナーも展開されています。これだけの量の作品を残しつつ、家庭人としても良き夫であり、父であった姿が目に浮かぶようで、どこかホッとさせられます。作品から感じる人への温かい視線の向け方や愛しみの所以を見るようです。


和田氏の作品と共に生きてきたことを実感
本展は和田さんの仕事の全貌に迫る初の試みということですが、あまりにも多彩な領域で活躍されているので、知らず知らずのうちに和田氏の作品と共に人生を過ごしてきたことに気づかされます。見覚えのある作品から当時の記憶がよみがえることもあるでしょう。

 

そうしたことも含め、和田氏の作品と共に人生を過ごしてきたことが誇らしくなってくる・・・ちょっと大げさに言えばそういう展覧会だと思います。

タイトル 和田誠展
会期 2021年10月9日[土]~ 12月19日[日]
会場 東京オペラシティ アートギャラリー[3Fギャラリー1, 2]
住所 〒163-1403 東京都新宿区西新宿3-20-2 東京オペラシティタワー3F
Webサイト https://www.operacity.jp/ag/exh244/
開館時間 11:00 ─ 19:00(入場は18:30まで)
休館日 月曜日
料金 一般1,200円[1,000円]、大学・高校生 800円[600円]
中学生以下無料